ディセンディングトライアングルとは？パターンや見つけ方、取引のコツは？

ディセンディングトライアングルとは？

ディセンディングトライアングルは弱気の継続パターンであり、下降する上方トレンドライン（レジスタンスライン）と、水平な下方トレンドライン（サポートライン）が特徴です。このパターンは売り手が買い手より積極的であることを示しており、価格は高値を切り下げ続けます。

価格がトライアングルを下方向にブレイクすると、このパターンは完成です。また、似ているチャートパターンとして、水平な上方トレンドラインと上昇する下方トレンドラインを特徴とする「アセンディングトライアングル 」があります。ただし、こちらは強気の継続パターンです。

ディセンディングトライアングルで見られる3種類のパターン

ディセンディングトライアングルが現れた後の値動きには、主に3種類のパターンがあります。どのパターンにも対応できるよう、それぞれのパターンをしっかりと確認しておきましょう。

1. サポートラインを下抜けてそのまま大きく下落
2. サポートラインで何度か反発をして再度下落
3. サポートラインで下値を支えられて上抜け

1. サポートラインを下抜けてそのまま大きく下落

サポートラインを下抜けてそのまま大きく下落するパターンは、ディセンディングトライアングルの最も基本的な形です。三角持ち合いの期間が長く、ローソク足が三角形の頂点に近づけば近づくほど、サポートラインをブレイクした時のトレンドは強くなる傾向があります。つまり、大きな利益を狙いやすくなるということです。

ディセンディングトライアングルは強い売り圧力がある時に発生するチャートパターンであり、買い圧力が売り圧力に耐えられなくなり、価格が大きく下落することがあります。ただし、大きく下落するパターンには大きな利益を狙える反面、リターン‧ムーブ（ブレイクしたサポートラインまで戻る動き）があまり起こらず、戻り売りがやりにくいというデメリットもあります。

そのため、大きく下落するパターンを想定してエントリーをする場合は、「サポートラインを明確にブレイクしたらエントリー」という戦略を取りましょう。

2. サポートラインで何度か反発をして再度下落

ディセンディングトライアングルではサポートラインを下にブレイクした後、サポートラインで何度か反発をして再度下落することがあります。つまり、前述した大きく下落するパターンとは異なり、サポートラインまで戻るリターン‧ムーブが起こるということです。

一般的にサポートラインを下に抜けるとトレンド転換と判断され、トレーダーは売り目線になります。そのため、サポートラインをブレイクすると、サポートラインがレジスタンスラインに転換し、レジスタンスラインを活用した戻り売りをすることが可能になるのです。

サポートラインで何度か反発をし、再度下落するパターンを想定してエントリーをする場合は、リターン‧ムーブを待ってエントリーをするようにしてください。

3. サポートラインで下値を支えられて上抜け

サポートラインで下値を支えられて上抜けする状況は、ディセンディングトライアングルの失敗パターンになります。ディセンディングトライアングルは、あくまでも売り圧力が強いだけで、必ず下落するわけではありません。そのため、サポートラインで下値が支えられ、反転して上昇するパターンも頭にいれておく必要があります。

ディセンディングトライアングルを形成しても、買い圧力が強い場合はサポートラインで跳ね返され、三角形の上側を構成するレジスタンスラインを上抜けて上昇していきます。レジスタンスラインをブレイクした際には、逆に上昇の勢いが強くなることが多いため、売り目線は一旦やめておくのが賢明です。

ディセンディングトライアングルの形成過程と見つけ方

ディセンディングトライアングルの形成過程を理解しておけば、チャート上で見つけることは簡単です。以下で解説している形成過程は、FXをはじめとするすべての金融市場で共通しています。

下降トレンドと保ち合い相場で形成される

1. 下降トレンド：ディセンディングトライアングルが現れる前に、相場は下降トレンドでなければなりません。ディセンディングトライアングルを見つけたとしても、すぐに取引に踏み切らないよう心がけましょう
2. 保ち合い：ディセンディングトライアングルは保ち合い（レンジ）相場となったときに現れます
3. 上方トレンドライン：保ち合い相場の中で、高値を線でつなぐことにより、下向きのトレンドラインを描くことができます。下降するトレンドラインは、売り手が徐々に価格を押し下げていることを示し、これは弱気のバイアスの裏付けになります
4. 下方トレンドライン：下方トレンドラインはサポートラインとして機能します。価格がこのラインを何度も試した後、最終的に下方向へのブレイクが発生します
5. トレンド継続：価格が下方トレンドラインを強く下方向にブレイクした場合、トレーダーは下落の勢いが継続するかどうかを確認して、このパターンの判断をおこないます

ディセンディングトライアングルの見つけ方

ディセンディングトライアングルの見つけ方は非常にシンプルです。ディセンディングトライアングルが形成されているかどうかを判断するには、以下の2つのポイントに注目します。

1. サポートラインを引くことができる
2. 高値が切り下がっている

これらのポイントをチェックできたら、実際に線を引いてディセンディングトライアングルを見つけてみましょう。

1. サポートラインを引くことができる

ディセンディングトライアングルを見つけるためには、まずサポートラインを引くとよいでしょう。なぜなら、サポートラインは安値が同じぐらいの価格で何度も反発している部分を見つければ引けるため、FX初心者でも比較的簡単に設定することができるからです。

ローソク足のヒゲと実体のどちらにラインを引いても構いませんが、ヒゲで引く方が一般的と言えます。ヒゲと実体のどちらにラインを引くかあらかじめ決めておくと、一貫性を持って取引することが可能です。

ラインは間違えても何度でも引き直すことができます。安値が同じぐらいの価格で反発しており、「サポートラインが引けそうだな」と思ったら、まずはラインを引いてみましょう。

2. 高値が切り下がっている

次は高値が切り下がっていることを確認し、三角形の上側を構成するトレンドラインを引きましょう。つまり、レジスタンスラインとして機能している線を引くということです。

高値同士を線で結んでレジスタンスラインを引き、サポートラインとレジスタンスラインで三角形ができれば、ディセンディングトライアングルが形成されています。もし高値同士にぴったりとラインを引くことができなくても、ラインはあくまで目安であるため、多少の誤差は問題ありません。

ディセンディングトライアングルの決済ポイント

「下降型のトライアングル」と呼ばれることもあるディセンディングトライアングルには、このパターンに適用する利益確定の決済ポイントを測るための、独自の測定テクニックがあります。

まず、ディセンディングトライアングルパターンの起点で、下降トライアングルの最高点から水平なサポートラインまでの距離(値幅)を測定します。そして、同じ値幅をブレイクしたポイントから潜在的な利益確定の価格までの値幅に適用することが可能です。

下の図はAからBまでの値幅を、潜在的な利益確定の価格を予測するために、CからDまでの値幅にあてはめる方法を示しています。

ディセンディングトライアングルにおける2つの注意点

ディセンディングトライアングルは有効なチャートパターンです。しかし、取引する際には注意点もあります。

1. 上抜けしたら損切りする
2. ダマシが発生することがある

チャートパターンをしっかりと識別することはもちろん、主な注意点も抑え、大きな損失を避けるように心がけましょう。

1. 上抜けしたら損切りする

ディセンディングトライアングルは高値を切り下げていることから売り圧力が強く、下落しやすい傾向にあります。しかし、必ずサポートラインを下抜けるとは限りません。サポートラインを下抜けせず、逆にレジスタンスラインを上抜けてしまうことがあるのです。

例えば、売りポジションを保有している時にディセンディングトライアングルを上抜けした場合は、下落しやすいという傾向が崩れたことを意味するため、素早く損切りすることが重要になります。また、一度サポートラインを下抜けてから逆行し、レジスタンスライン（サポートラインから転換）または直近の高値を上抜けてしまった際も同じく損切りをしましょう。

特に、ディセンディングトライアングルを上抜けてしまった場合は、上昇トレンドに転換してしまう可能性が高くなるため、速やかにポジションを閉じてください。

2. ダマシが発生することがある

ディセンディングトライアングルも他のテクニカル分析と同じく、ダマシ（否定）が発生してしまうことがあります。よって、ダマシを回避するように気を付けることが重要です。

ダマシを回避する方法は主に2つあります。まずは前述した通り、サポートラインを下にブレイクしてすぐにエントリーするのではなく、リターン‧ムーブを待つことです。

加えて、明確にディセンディングトライアングルを形成した場合のみエントリーをするのもよいでしょう。一見ディセンディングトライアングルに見えても、よく見ると条件を満たしておらず、ただのレンジ相場だったということはよくあります。安値が同じで高値が切り下がるという原則に気を付けると、ディセンディングトライアングルを正しく識別しやすくなります。

ダマシに注意すると、どうしてもエントリーチャンスが少なくなります。しかし、慣れないうちは特にダマシに注意し、リスクを抑えるよう心がけましょう。

IG証券でFXや株を取引する方法

1. ライブ口座または無料デモ口座を開設する
2. 銘柄について調べる
3. FX口座、株価指数口座、または個別株口座を選択し、取引したい銘柄を選ぶ
4. 「売り」または「買い」、ロット数を選び、必要に応じて指値・逆指値注文を入力する
5. ポジションを保有する

まとめ

ディセンディングトライアングルをチャート上で識別することにより、順張りで大きな利益を狙うことができます。FXで大きな利益を目指すなら、ディセンディングトライアングルを活用したトレード技術を習得しましょう。

ただし、他のテクニカル分析と同じくダマシが発生することもあるため、油断は禁物です。ダマシを回避する方法を把握し、リスクを軽減するようにしてください。

ディセンディングトライアングルのパターンや使用方法を理解し、取引で活用して利益を出せるようになることを目指しましょう。