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NY金、ビットコイン最高値更新で再び下落ムードに、FOMCで米金利上昇なら急落を警戒

ビットコインが史上最高値を更新するなか、NY金には再び下落のムードが漂う。今年最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、パウエルFRB議長の会見とドットプロットが焦点となろう。米長期金利が上昇する場合は、金価格の急落を警戒したい。目先の見通しについて。

Source : Bloomberg Source : Bloomberg

最高値を更新するビットコイン、再び下落ムードが漂うNY金

11月以降、暗号資産のビットコインが上昇する局面で、金(ゴールド)売りの圧力が強まるトレンドにある(下のチャート、赤矢印を参照)。そのビットコインは16日、10万7,000ドルを突破し、連日で史上最高値を更新した。

一方、スポットのNY金(金価格)は2,720ドルの水準がレジスタンスラインとして意識され、再び下落のムードが高まっている。昨日は、今月9日以来となる2,643ドルまで下落する局面が見られた。

ビットコインとスポット金価格:24年6月以降

ビットコインとスポット金価格:24年6月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

今年最後の米FOMC、長期金利4.5%突破なら金価格の急落を警戒

目先の焦点は、今年最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)となろう。すでに0.25%の利下げが織り込まれている。よって市場参加者の関心は、来年の利下げパス(道筋)に集まっている。注目ポイントを以下にまとめた。

・FOMCの焦点は、来年の利下げがどのような道筋を辿るのか?この点を見極めることにある。市場参加者は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見から利下げパスの動向を探ろうとするだろう

・25年最初のFOMCが1月29日に開かれる。現状、米FRBがいったん利下げを見送る可能性が短期金融市場で意識されている。一方、3月FOMCの利下げ確率は現在、52%前後で推移している。パウエルFRB議長が連続利下げについて慎重な姿勢を示す場合は、3月の利下げ観測も後退する可能性がある

利下げの確率:来年1月と3月のFOMC

利下げの予想確率:来年1月と3月のFOMC

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 17日 午前7時時点

・FOMCの参加者による政策金利の予想(ドットプロット)にも注目が集まるだろう。9月のドットプロットでは、25年末の予想中央値が3.4%だった。現状、短期金融市場で予想される水準は3.8%台であり、FOMCの参加者が想定する水準よりも高い。12月のドットプロットが市場の予想に向かって上方修正される場合も、25年の利下げパスの不透明感を高める要因となろう

米政策金利の予想推移

米政策金利の予想推移

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 17日 午前7時時点

・注目は米長期金利の反応である。12月のFOMCイベントが総じて“タカ派”的と米債市場で受け止められる場合、長期金利は直近の高水準4.5%を突破する可能性がある。米長期金利とビットコインの上昇が同時に発生すれば(米金利の上昇を受けた米ドル高以上にビットコインの買い圧力が強まれば)、金価格の急落を警戒したい

アメリカの長期金利:日足 24年9月以降

アメリカの長期金利:日足 24年9月以降

出所:TradingView


金価格の見通しとテクニカルライン

目先のサポートライン

今週の金(ゴールド)もビットコインにらみの状況が続こう。ビットコインと米長期金利の上昇が重なる場合は、2,600ドルのトライを想定したい。このサポートラインをトライするサインとして、以下でまとめた下値水準での攻防に注目したい。

・目先の焦点は、サポートラインとして意識されている75日線の維持となろう。この移動平均線を下方ブレイクする場合は、89日線の攻防が次の焦点に浮上しよう。フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準2,639ドルの下方ブレイクは、89日線をトライするサインと捉えたい

・ビットコインの上昇と米長期金利の上昇が重なれば、金価格の89日線ブレイクを想定しておきたい。このケースでは、2,600ドルの維持が焦点に浮上しよう

サポートライン

・2,645:75日線(日足)
・2,639:フィボナッチ・リトレースメント76.4%(1時間足)
・2,623:89日線(日足)
・2,600:サポートライン


目先のレジスタンスライン

ビットコインに調整の売りが入る局面では、金価格の反発を想定したい。だが、現在はトランプ政策の期待でビットコインの騰勢が強まりやすい状況にある。FOMCイベントの後に来年の米利下げパスに対する不透明感が高まる可能性も考えるならば、レジスタンスラインとして鮮明となってきた2,720ドル付近では反落を警戒したい。目先注目のサポートラインを以下にまとめた。

・投機筋が再び金(ゴールド)買いに転じるなか、ビットコインが調整売りで反落する場合は、50日線を突破できるかどうか?まずはこの点に注目したい。50日線すら突破できない場合は、上で取り上げたサポートラインの攻防を意識する状況が続こう

・金価格が50日線を突破する場合は、レジスタンスラインへ転換する可能性がある2,675ドル、そして13日に相場の上昇を止めた2,690ドルの攻防に注目したい。後者の水準を突破すれば、2,700ドル台への反発が視野に入ろう

・2,720ドルがレジスタンスラインとして鮮明となってきた。すぐ上の水準2,730ドルはフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる。トランプ政策でビットコインが上昇しやすい状況にあることも考えるならば、2,720ドル台での反落を警戒したい

レジスタンスライン

・2,730:フィボナッチ・リトレースメント76.4%(日足)
・2,720:2度上昇を止めた水準(日足)
・2,690:レジスタンスポイント(1時間足)
・2,675:レジスタンス転換の可能性あり(1時間足)
・2,670:50日線(日足)


金価格のチャート

日足:24年 10月下旬以降

日足:24年 10月下旬以降

出所:TradingView

1時間足:12月6日以降

1時間足:12月6日以降

出所:TradingView


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