円安の影響で輸出関連株・機械・運輸株が上昇
日本銀行が長期金利政策の維持を決定し、米連邦公開市場委員会の利上げ公算が高まる中、日本の輸出関連株や機械、運輸株の株価は円安によって押し上げられた。
円安による輸出関連株や機械株の上昇や、インバウンド観光の回復による運輸株の好調な推移により、日経平均株価は4月27日から5月2日まで4日間続伸している。日本銀行が長期金利政策の維持を決定し、5月1日週内には米連邦公開市場委員会(FOMC)がさらに利上げをすることが予想されている中、円安傾向は継続すると見られている。
米国では、経営破綻し公的管理化に置かれていた米地銀ファースト・リパブリック・バンクをJPモルガン・チェース(JPM)が買収することが発表され、JPMの株価は2%以上上昇した。また、金融業界が揺れる中でも、FOMCは金利を0.25%引き上げると見られている。
円安が押し上げる自動車・機械関連株
4月28日に、日銀の植田和男新総裁は今後1年から1年半の間で金融緩和策を見直すと発表し、急激な変化によって市場が混乱するとの懸念を払拭した。FOMCが5月1日週にさらなる利上げをすると見込まれている中、日米間の金利差が広がるとの見方に為替市場は敏感に反応した。植田総裁の発言を受け、米ドル/円相場は1ドル134円前後から136円まで下落し、5月2日時点では137円前後で取引されている。
自動車や機械を輸出する企業にとって、円安は海外での売上を増幅することになる。5月1日にマツダ(7261)は2.72%、安川電機(6506)は約2%上昇した。また、4月24日週の決算発表を受けて株価が下落していたアドバンテスト(6857)の株価も5月1日には2.09%回復し、翌日2日には更に3.53%上昇して11,140円で取引を終えた。
28日の取引終了後、三菱電機(6503)は2023年3月期の連結決算を発表した。2024年3月期の連結業績予測は、純利益が前期比26%増の2,600億円になるとしている。これを好材料とし、同社の株価は1日に4.38%上昇した。三菱電機は空調設備、家電、工場における自動化システム、自動車機器、エネルギーシステムなど、様々な製品を製造する、電気機器製造会社である。同社の株価は、今年に入ってから33%以上上昇している。
インバウンド観光ブームの追い風となる円安
個人旅行が再開されてからというもの、日本のインバウンド観光は再起を果たしている。その上での円安は、海外からの旅行者にとっては日本をさらに魅力的な旅行先とするものとなる。
航空株やホテル株が高騰する中、鉄道も5月1日には京成電鉄(9009)が4.9%高、小田急電鉄(9007)は5.74%高となった。コロナ禍で苦戦した相鉄ホールディングス(9003)は2023年に入ってから大きく回復している。同社は鉄道やバスの他、不動産やスーパーマーケット事業も手掛けている。同社のホテルには、フラッグシップである横浜ベイシェラトン、相鉄フレッサイン、相鉄グランドフレッサ、ホテルサンルートなどのチェーンがある。この1ヶ月で同社の株価は約15%上昇しており、年初来では約18%高となっている。
ゴールデンウィーク前最終日となった2日の日経平均株価は、29,157円で取引を終えた。
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