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FOMCイベントと各市場の反応 /ドル円 今後の焦点とチャートポイント

FOMCイベントを受け米金利は上昇で反応。外為市場は米ドル買い優勢で反応。目先のドル円の焦点と注目のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

FOMCイベントと各市場の反応


【サマリー】

・FOMCのサマリー 利上げとバランスシートの縮小について
・FOMCイベントを受けた各市場の反応
・ドル円の焦点とチャートポイント



・FOMCサマリー

米連邦準備制度理事会(FRB)は26日の連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表した声明文で、政策金利を「まもなく引き上げるのが適切」と表明した。

FOMC後にパウエルFRB議長が記者会見に臨み、高インフレと堅調な労働市場の状況を踏まえ、適切な政策対応を講じると述べた。また利上げのペースについては、経済状況に影響されると指摘した。

バランスシートの縮小については、利上げ後に着手すると述べた。しかし、具体的な開始の時期やペースについては言及せず、この件に関しては次回の会合で討議し、詳細については適切な時期に公表すると述べた。



・FOMCイベント後の各市場の反応

米債市場(米金利)

米国の債券市場では、各年限の利回りが上昇した。米金融政策の方向性と連動する2年債利回りは、2020年2月下旬以来となる1.16%レベルまで上昇。パウエルFRBの金融引き締めとそのペースの加速を意識する動きが鮮明となっている。
ドル円(USDJPY)のトレンドに影響を与えている5年債利回りは1.7%手前まで上昇した。
一方、10年債利回り(長期金利)は、FOMCイベントを受け1.88%まで上昇した。この動きを受け、10年の米実質金利は-0.53%までマイナス幅の縮小が進行した。

米ドル相場

一連の米金利の動きは、米ドル相場のサポート要因となった。ドル円は高値114.69レベルまで、ユーロドル(EURUSD)は1.1234レベルまでそれぞれ米ドル高が進行した。

米国株

米長期金利の上昇と実質金利のマイナス幅縮小は、米国株の売り圧力を高めた。事実、FOMCイベントが始まった午前4時以降から米金利の上昇幅が拡大するのとは対照的に、主要な米株価指数の下げ幅は拡大した。しかし、取引終盤にかけては買戻し優勢となり、ナスダック総合指数は前日比2.82ポイント高の13,542.12と、かろうじてプラス圏で引けた。S&P500指数とダウ平均は続落して終えた。



ドル円 今後の焦点とチャートポイント

・米金利の上昇トレンドは続く

今回のFOMCイベントを受け米10年債利回り(長期金利)は上昇で反応し、実質金利(10年)のマイナス幅は縮小トレンドを維持している。

FOMC声明文とパウエル会見の内容を総合的に考えるならば、FRBは今年3月の会合で利上げ(ゼロ金利の解除)に踏み切るだろう。その後、バランスシートの縮小にも着手するだろう。

米金融引き締め政策がスタートした後もエネルギー価格や賃金の上昇などで高インフレの状況が続く場合、FRBはインフレに対する警戒レベルを引上げてくる可能性が高い。アメリカ経済が引き続き力強さを示す(パウエルFRB議長)可能性があることも考えるならば、米債市場では短期ゾーンを中心に利回りの上昇トレンドが続こう。

米金利のチャート

米金利のチャート

・鍵は米国株

今のドル円(USDJPY)にとって一番重要な利回りは、5年債利回りと10年債利回り(長期金利)である。米金利の上昇トレンド維持を軸に考えるならば、短期的にドル円は上値をトライする局面が多く見られると予想する。

しかし上値の水準は株式市場、特に米国株の動向に左右されるだろう。この点は、FOMCイベント後の動きが示唆している。パウエル会見を受け米国株の下落幅が拡大すると同時に、ドル円は高値114.69を付けた後に上昇の圧力が後退した。一方、取引終盤にかけて米国株の買戻しが入ると、ドル円は一転して反発へと転じた。

これら一連の動きは、ドル円の上昇トレンド維持の条件が「米金利と米国株の上昇が同時に発生すること」にあることを教えてくれている。

アメリカ株価指数 年初来のパフォーマンスチャート

アメリカ株価指数 年初来のパフォーマンスチャート

・チャートポイント

目先のドル円(USDJPY)のチャートポイントだが、大陽線(日足ローソク足)で10日線(SMA)と50日線(EMA)を一気に上方ブレイクしたことで、115.00の再トライが目先の重要ポイントとして浮上してきた。

ドル円が上昇トレンドを維持する場合、まずは今月19日の高値114.78レベル、そして直近高安の半値戻し114.90の突破となるか?この点を確認したい。114.90レベルを突破する場合は、115.00トライおよび115円台への再上昇を意識したい。

一方、米金利の低下や米国株が下落する局面でドル円が下値トライとなる場合、まずは上2つの移動平均線がサポートラインとして意識されるかどうか?この点を確認したい。113円台へ反落する場合は、短期サポートラインおよび2度相場をサポートした113.40台の維持が焦点となろう。

ドル円のチャート

ドル円のチャート

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