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ポンドドルとユーロドルの焦点

サマリー:『米金利は反発するも上昇幅は限定的。ポンドドルは1.40の突破に失敗。目先は下値トライを意識したい。ポンドドル以上にユーロドルは下落トレンドを形成する可能性がある』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。

Source: Bloomberg Source: Bloomberg

米金利の反発は限定的

昨日の米債市場では、10年債利回りが反発した。しかし1.5%レベルで上昇が抑制された。一方、米2年債利回りは0.27%台まで反発した。しかし、こちらも先週18日につけた0.28%の突破はならず。ともに上昇幅が抑制される展開となった。

米金利のこう着状態もあり、欧州タイム以降のドル円(USDJPY)は110円後半で売り買いが交錯。ユーロドル(EURUSD)も1.19前半の水準で上下に振れる展開となった。

米金利の動向

米金利の動向

ポンドドルは1.40の突破に失敗

一方、ポンドドル(GBPUSD)は売り優勢の展開となった。

イングランド銀行(BoE)はこの日、金融政策会合(MPC)を開き、現行の金融緩和政策を維持する方針を決定した。資産買入れの額については減額を主張する委員が増えるとの観測もあったが、結果は賛成8の反対1(退任間近のホールデン氏のみ)で前回と同じだった。
また、BoEはインフレの見通しについて一時的に3%を超す予想を示す一方、FRBと同じくインフレの進行は「一時的」な現象とも指摘。早期の政策転換については慎重姿勢を示した。

BoEのスタンスを受け、外為市場ではポンド売り優勢の展開に。対米ドルでは節目の1.40の突破に失敗した。23日の動向も合わせて考えるならば、1.40レベルが再びレジスタンスのポイントとして意識される可能性があろう。
だが、冒頭で述べたとおりアメリカの長期金利は1.5%の水準で上昇が抑制されている。また、ユーロポンド(EURGBP)が再びポンド買い優勢の状況へ転じていることも考えるならば、ポンドドルの下落幅は限定的となる可能性がある。

目先、下値のチャートポイントは1.3800レベルで変わらず。この水準を下方ブレイクする場合は、今年の3月から4月にかけてダブルボトムの起点となった1.3670レベルを次の下値ポイントと想定したい。

一方、上値のチャートポイントは節目の1.40となろう。この水準に向かって50日EMA(1.4012)と21日EMA(1.4019)が下降中。しかも、デッドクロスが示現する可能性が高まっている。また、モメンタム(14日)はゼロライン以下で低下基調となっている。これらの状況を考えると、ポンドドルは上2つのサポートポイントをトライする可能性を意識しておきたい。

ポンドドルのチャート

ポンドドルのチャート

ユーロドルは下値トライを意識する局面に

金融緩和政策の正常化レースでFRBがECBに一歩リードしている状況やユーロポンド(EURGBP)の下落基調(ユーロ売り/ポンド買いの基調)、そしてテクニカル面も考えるならば、現状ではポンドドル(GBPUSD)よりもユーロドル(EURUSD)の方が下落トレンドを形成する可能性がある。

テクニカル面では、デッドクロスが示現している。先週17日は、節目の1.20で上値が抑制され大陰線となった。さらに直近2日は、日足ローソク足で長い上ヒゲが示現しユーロ買いは限定的となっている。また、モメンタム(14日)もゼロライン以下で低下トレンドにある。
これら基調の弱さを示す動きを考えるならば、ユーロドルはフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.1835レベルをトライする可能性を意識したい。この水準を下方ブレイクする場合は、1.1700を視野に下落幅が拡大する展開を予想する。

一方、上値の焦点は1.20レベルの攻防となろう。サポートからレジスタンスへの転換が確認される場合、基調の弱さを市場参加者に印象付けよう。それは21日EMA(1.2031レベル)および50日EMA(1.2059レベル)で上値が抑制される場合も同じである。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

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