ユーロ相場と米株の影響
ドラギ発言により24日の外為市場ではユーロ安圧力が高まりました。米ドル相場はユーロ安にサポートされる展開となりました。しかし、米ドル相場のトレンド決定要因はユーロ相場ではなく米株にあります。詳細は、本日のマーケットレポートをご参照ください。
Analysis Highlights
・ユーロ相場と米株の影響
24日の海外外為市場はユーロ安となった。この日の会見でドラギECB総裁は、域内経済の先行きについて不確実性が高まっておりリスクは下方にあると指摘。先行き懸念とそれに伴い年内利上げの可能性が後退したことで、ユーロは主要な先進国通貨および新興国通貨で軒並み下落した。ユーロドルは、昨年12月17日以来となる1.13割れの展開に(安値1.1286)。対ユーロで再び米ドル高優勢となっている状況は、米ドル相場のサポート要因となろう。しかし、ユーロ売りにサポートされた米ドル相場の上昇は限定的と想定している。米ドル相場のトレンド決定要因は米株にあるからだ。その米株だが、好決算が続いているにも関わらず上値が抑制されている。株式の上昇圧力後退は、米長期金利の反発圧力の後退につながる。事実、昨日の10年債利回りは2.701%と1週間ぶりの水準まで低下する局面が見られた。今年の米長期金利は、FEDの政策スタンス変化により低下圧力が高まり易い状況にある。この圧力を相殺する要因は、目下のところ株高もしくは原油高である。しかし、後者は中国経済の減速が鮮明となる中、短期的に上昇基調へ転じ且つそれを維持する可能性は低い。よって、金利上昇の鍵は米株が握っているということになる。その米株だが、米中貿易摩擦が再びマーケットのテーマとして浮上したタイミングで上値が重くなっている事実を鑑みるに、決算シーズンの間は「良好な決算 (上昇要因)vs 米中貿易摩擦(下落要因)」というせめぎ合いの展開となろう。しばらくユーロ安が続いても、ボラティリティが急低下する中で冴えない決算(見通しを含む)が続けば、米株下落の影響がユーロ安の影響を凌駕し、米ドル相場は米株の下落に連動する展開を想定している。
【チャート1: S&P500/ 米10年債利回り】
・ドル円は109円を中心に売り買い交錯 ユーロドルは1.13台の維持が焦点
本日のドル円は、引き続き109円台を中心とした売り買い交錯相場を想定している。トレンドは米株次第となろう。だが、米株が反転しても長期金利の反発圧力が抑制される状況下では110.00前後で反落する可能性がある。110.00上のストップを巻き込む展開となっても、52週MAが推移している110.22前後までの反発が限界と想定する。110.25にはオファーの観測あり。一方、下値の焦点は短期サポートラインが推移している109.00の攻防となろう。米株が大きく崩れない限り109円台の維持を想定しているが、この点は米中貿易摩擦に関する新たなネガティブ要因の発生の有無次第である。
ユーロドルは、NYの終値ベースで1.13割れとなるかどうか、この点に注目している。トレンド決定要因は米株および1月 IFO企業景況感指数となろう。米株の下落および良好なIFO指数のケースでは1.13維持を想定したい。逆に米株が再び上昇圧力を高め、IFO指数が市場予想(100.6)以下となれば、昨年12月14日安値1.1266をトライする展開を想定している。このポイントをもブレイクする場合は、昨年11月中旬の重要サポートポイント1.1213を視野に下落幅の拡大を警戒したい。1.1280、1.1250および1.1200にはそれぞれビッドが観測されている。
【チャート2:ドル円】
【チャート3:ユーロドル】
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