トレンドは米指標データの結果次第
ECBイベントは想定通りユーロ売りイベントなりました。本日は再び米国の指標データが最大の焦点となるでしょう。結果次第でマーケットトレンドを左右すると思われます。詳細は本日のマーケットレポートをご参照ください。
Analysis Highlights
・トレンドは米指標データの結果次第
想定通りECBイベントはユーロ売りイベントとなった。①今年の域内経済の成長見通しを1.1%と、前回の1.7%から大幅に下方修正。②今年中の利上げを断念し、来年以降に先送りすることを表明。③長期資金貸し出しオペ(TLTRO)を9月に開始することを決定。債券購入プログラムを終了したわずか3か月後にこれらのことを打ち出したことは、ドラギECBが抱く先行き警戒レベルの高さを示唆している。外為市場では当然ユーロ売り圧力が高まり、ユーロドルはついに1.12割れの展開に。安値1.1174(リトレースメント61.80%レベル)まで急落する局面が見られた。ユーロ売りは米ドル相場のサポート要因だが、米ドル高トレンドの形成には米国市場の持続的なリスク選好相場(株高/金利上昇)が必須条件である。しかし、直近の米国市場は真逆の状況(株安/金利低下)となっている。リスク選好相場へ回帰する鍵は指標データが握っている。本日は2月の米雇用統計と1月の住宅関連指標が発表される。総じて市場予想を上回る展開となれば、米株と金利の反発を想定する。外為市場では米ドル全面高となろう。逆に上記の指標データが総じて市場予想を下回る場合は、「株安 → 円高」となる可能性が高い。一方、ユーロドルは、昨日の急落の反動から調整の「ユーロ買い/米ドル売り」を想定する。ユーロドルが反発する場合、「冴えない指標データ → 米金利低下」がクローズアップされ、新興国通貨も対米ドルで買戻される展開を想定する。
・ドル円、ユーロドルともに米指標データにらみ
今日のドル円は、米指標データ次第でトレンドが決定されよう。「良好な米指標データ → 米国市場のリスク選好」となれば、112円台を目指す展開を想定する。逆に「冴えない米指標データ → 米国市場のリスク回避」のケースでは、200日MA(111.39)の下方ブレイクを警戒したい。「米株の下落幅拡大 → 200日MAブレイク」となれば、21日MA(110.97)トライを意識したい。111.90および112.00にはオファーが観測されている。111.20、111.00および110.80にはビッドの観測あり。
ユーロドルのトレンドも米指標データ次第となろう。結果が良好な場合、米欧のファンダメンタルズ格差とそれを意識した米独利回り格差の拡大を背景に1.1100を目指す展開を想定する。このレベルは2017年6月にかけて相場をサポートした経緯がある。1.1150および1.1100にはビッドが観測されている。一方、冴えない結果が確認される場合は、調整の反発を想定したい。だが、ユーロ圏経済の低迷とドラギECBのスタンスを考えるならば、上昇幅は限定的と想定する。オファーが観測される1.1240-50レベルで上値がレジストされる展開を意識したい。
【ドル円チャート】
【ユーロドルチャート】
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