米国市場は金融緩和下の状況 英下院は「合意なき離脱」採決へ
英国下院はEU離脱修正案を大差で否決。次の焦点は「No deal Brexit(合意なき離脱)」の採決へシフトしています。一方、米国市場は一昔前の金融緩和下の状況となっています。今後の焦点は?今日のマーケットレポートをご参照ください。
Analysis Highlights
・米国市場は金融緩和下の動き 英下院は「合意なき離脱」採決へ
2月の米CPIコア(前年同月比)の上昇率は2.1%と、前回の2.2%から低下。昨年7月の2.4%をピークにインフレが抑制傾向にある状況を考えるならば、FEDのスタンスが再びタカ派へ転換する可能性は後退。米長期金利はCPIの結果に低下で反応し、直近の下限2.63%の水準はおろか、2.60%台の水準をも割り込む展開となっている。一方、世界の株式市場は、米株をはじめ調整を挟みながらも堅調さを維持している。「株高/米金利低下」の局面では、外為市場で新興国通貨買い圧力が高まり易い状況にあるとはこのレポートで再三指摘してきた。昨日はトルコリラと南アランド以外、主要な新興国通貨が対米ドルで堅調推移となり、上記の観測が正しいことを改めて確認できた相場だった。
現在の米国市場は、いわば金融緩和下の状況(株高/金利低下)となっている。株高基調が続いている現状を考えるならば、今後の焦点はやはり米長期金利の動向にあろう。S&P500とナスダック指数の続伸ではなくCPIの結果に反応した昨日の動向を考えるならば、現在の米金利にとって指標データがトレンド決定要因であることがわかる。本日は2月PPI(生産者物価指数)と1月耐久財受注が発表される。PPI(前年同月比)はCPI同様、昨年7月の3.4%を境に低下基調を辿り、今回は1.9%と2.0%の水準を割り込む予想となっている。食品・エネルギーを除いたコア指数の予想値は2.6%だが、こちらも昨年7月の2.8%以降、抑制された状況が続いている。CPIに続き市場予想を下回る場合、米長期金利の低下要因となろう。一方、後者の耐久財受注は米株のトレンドに影響を与える可能性がある。両指数とも市場予想を下回る場合は、「米ドル安/円高」の展開を警戒したい。
英国下院は12日、EU離脱修正案を賛成242票、反対391票の149票差で否決した。今後の日程を確認すると、13日に「合意なき離脱」の是非を問う採決を行う。これが否決される場合、14日に「3月末の離脱延期」の是非を問うことになる。現状、各株価指数のボラティリティは高まっていない。しかし、可能性は低いものの「合意なき離脱」の現実味が帯びてくれば、英ポンドだけでなく欧州株式の圧迫要因となろう。その影響が米株に波及することで、円高圧力が一時的にせよ高まる事態を想定しておきたい。
【米長期金利チャート】
・ドル円は売り買い交錯を想定 ユーロドルは米指標データにらみ
株高基調が続く限り、ドル円の堅調地合いを想定する。だが、米長期金利の上昇が抑制されている状況を考えるならば、112円をトライするムードは高まっていない。21日MA(111.11前後)を下値の攻防分岐と想定し、株高維持の場合は111円ミドルトライ、冴えない米指標データ等により米株が反落する場合は110.70までの下落を警戒したい。111.80にはオファー、111.00および110.70にはビッドが観測されている。
ユーロドルは引き続き米独利回り格差の動向次第で上下に振れよう。金利の動向は米指標データ次第となろう。「良好な米指標データ→米独利回り格差の拡大」のケースでは反落を予想する。逆の展開では1.13台の攻防シフトを予想する。テクニカル面では21日MA(1.1313前後)の攻防に注目したい。1.1220から1.1200にかけては断続的にビッドが並んでいる。1.1310、1.1330および1.1350にはオファーの観測あり。
【ドル円チャート】
【ユーロドルチャート】
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