材料待ちムードの外為市場 / ポンドドルとユーロドルの注目ポイント
サマリー:『外為市場は次の材料待ちムードとなっている。今週は10日の米CPIとECBイベントが焦点。ポンドドルとユーロドルの焦点は?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
料待ちムードの外為市場
週明けの米債市場で長期金利(以下米金利)は1.58%台まで反発する局面が見られた。しかし勢いはなく1.56%台へと低下した。
米金利の上昇が抑制されていることで、昨日の外為市場では米ドル安優勢の展開となった。だが米ドル売りは限定的であり、外為市場では次の材料待ちムードが漂っている。
外為市場の参加者が注目する次の材料は、今週10日の5月米CPI(消費者物価指数)とECB理事会である。米インフレ懸念が再び高まるかどうか?テーパリングに関するラガルドECBのスタンスは?これらの点を確認するまで、外為市場はレンジで推移する可能性がある。
欧州通貨の焦点とチャートポイント
▶ポンドドルの焦点とチャートポイント
レンジ相場のムードが高まっているのが、ポンドドル(GBPUSD)である。
ポンドドルは先月の下旬以降、下限を1.41レベル、上限を1.42レベルとしたレンジでの攻防が続いている。
市場の短期的な予測を反映するリスクリバーサル(1週間)に大きな変動は見られない。また1.41レベルでの底堅さ、昨日の日足ローソク足で長い下ヒゲが示現しての反発、そしてユーロポンド(EURGBP)でもレンジ相場の状況に陥っていることを考えるならば、今日も1.41-1.42レンジの攻防を予想する。
オセアニア時間のポンドドルは1.4180レベルで推移している。上昇基調を維持する場合は1.4200、1.4230レベルおよび1.4250レベルでの反落リスクを意識したい。
一方、下値の焦点は21日EMA(今日現在1.4122レベル)の維持となろう。
このEMAを下方ブレイクする場合は、1.4100および先月の17日以降相場をサポートする局面が見られる1.4080レベルで反転する展開を想定しておきたい。
ポンドドルのチャート
▶ユーロドルの焦点とチャートポイント
一方、ユーロドル(EURUSD)は下限を50日EMA(今日現在1.2104レベル)、上限を1.2260レベルのレンジムードが漂っている。
今日は6月の独ZEW景況感調査が発表される。期待指数の市場予想は86.0。米金利の上昇が抑制されているタイミングで昨年11月以降(39.0)からの回復基調を維持する展開となれば、ユーロドルは昨日失敗した1.22台への上昇と維持が焦点となろう。
だが、ECB理事会を前に大きく動く可能性は低い。また、米金利の上昇は抑制されているが、期待インフレ率も同じく低下しているため、米実質金利は緩やかな反発基調にある。
これらの状況を考えるならば、ユーロドルが反発しても1.2260レベルの手前、例えばバンドの上限(σ2)が推移している1.2235レベルで反落する展開を警戒したい。
一方、さえない独指標データや米金利の反発でユーロドルが反落する場合は、昨日安値1.2143レベルの攻防が焦点となろう。
この水準を下方ブレイクする展開となれば、上で述べた50日EMAの攻防に注目したい。なお、バンドの下限(σ2)は今日現在、50日EMAと同じ水準にある。
ユーロドルのチャート
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