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高値更新の期待が高まるNY金、景気不安で年内3回の米利下げ観測強まる、今日は米雇用統計が焦点に

スポットのNY金価格(XAU)は、先月17日の高値2,483レベルが視野に入る。ここにきてアメリカの景気不安が新たなテーマに浮上しつつある。短期金融市場ではFRBの年内3回利下げを完全に織り込んだ。これらの状況は米金利の低下圧力を高めるだろう。米金利の低下は金価格の押し上げ要因となろう。リスク要因は「リスク回避の米ドル高」である。目先のNY金価格の見通しは?

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記事のポイント

・FRBによる今年3回利下げが完全に織り込まれた
・景気不安もテーマに浮上しつつあり、米長期金利が4.0%を割り込んだ
・米国の利下げ期待と長期金利の低下は、NY金価格の上昇要因となろう
・金価格のリスク要因は「リスク回避の米ドル高」にある


NY金価格、注目のチャート水準

上値の水準(レジスタンス)

・2,543:フィボナッチ・エクステンション100%
・2,500:フィボナッチ・エクステンション76.4%
・2,483:7/17日高値
・2,462:8/1日高値

下値の水準(サポート)

・2,435:フィボナッチ・リトレースメント23.6%
・2,408:10日線(8/2日時点)
・2,404:フィボナッチ・リトレースメント38.2%


景気不安で米長期金利が4%割れ

ここにきて、アメリカの景気不安が新たなテーマとして浮上してきた。

米供給管理協会(ISM)が1日に発表した7月の製造業景気指数は46.8と、昨年11月以来8カ月ぶりの低水準へ落ち込んだ。景気判断の分かれ目である「50」も4カ月連続で下回った。

一方、米労働省が発表した7月27日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比1万4000件増の24.9万件と、昨年8月以来の高水準に増加した。

将来の景気不安が意識され、昨日の米債市場で10年債利回り(以下では長期金利)がついに節目の4.0%を割り込む展開となった。

一方、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは、今年1月以来となる4.1%台へ下落している。この動きは、下で述べる連邦準備制度理事会(FRB)の年内3回利下げを完全に織り込んだ動きと考えることができる。

米長期金利のチャート:日足 年初来

米長期金利のチャート:日足 年初来

出所:TradingView


FRBの3回利下げを織り込む状況に

6月の物価指数(CPI、PCEデフレーター)は、アメリカのインフレが抑制・鈍化の傾向にあることを示唆した。冒頭で述べたとおり、昨日の経済指標はいずれも将来の景気不安を各市場の参加者に意識させる内容となった。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がFOMC後の定例会見で9月利下げの可能性について言及したこともあり、短期金融市場では今年3回の利下げ-9月、11月そして12月FOMCでの利下げを完全に織り込む状況にある。そして来年の1月には、政策金利が4.2%台まで引き下げられる見通しとなっている。

FOMC 政策金利の予想推移

FOMC 政策金利の予想推移 ブルームバーグのデータで筆者が作成

NY金、目先の焦点とテクニカル分析

高値の更新を意識する状況に

スポットのNY金価格(XAU、以下では金価格)は、先月17日の高値2,483レベルを視野に入れる展開となっている。

日足のモメンタムはゼロラインを上回り、金価格の強気相場に勢いが出始めていることを示唆している。MACDは横ばい推移だが、ゴールデンクロスの状況にある。また、10日線と50日線がサポートラインとして意識されている。

これらテクニカル指標の動向(攻防)、米利下げ期待の高まり、そしてアメリカ長期金利の低下幅が拡大している状況を総合的に考えるならば、金価格は連日で高値を更新する展開となる可能性がある。

昨日の高値2,462レベルの上方ブレイクは、2,483(7/17高値)ドルをトライするシグナルとなろう。

金価格が2,483レベルをも完全にブレイクアウトする場合は、節目の水準2,500ドルが視野に入ろう。テクニカルの面では、フィボナッチ・エクステンション76.4%水準2,498レベルの攻防に注目したい。このテクニカルポイントの上方ブレイクは、2,500ドルの攻防へシフトするシグナルとなろう。

金価格が2,500ドル台へしっかりと上昇する場合は、フィボナッチ・エクステンション100%の水準2,543レベルが次の上値ターゲットとして浮上しよう。

NY金価格のチャート:日足 24年6月以降

出所:TradingView

下落の局面では10日線の維持が焦点に

一方、金価格(XAU)の下落局面では、10日線の維持が焦点となろう。この移動平均線は今日現在、2,408レベルで推移している(下のチャート、青ラインを参照)。フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準2,404レベル付近で推移している状況や2,400ドル維持という観点からも、10日線の攻防は重要である。

10日線の上、2,435レベルはフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準にあたる。このテクニカルポイントは、先月24日にレジスタンスラインとして意識され、昨日はサポートラインとして相場を下支えした(下のチャート、黒矢印を参照)。これら一連の経緯を考えるならば、2,435レベルは「サポート転換」を意識する水準である。23.6%戻しの下方ブレイクは、金価格が10日線をトライするシグナルと想定しておきたい。

金価格が10日線をトライする要因として注目したいのが、下で述べる外為市場の動向である。

NY金価格のチャート:日足 24年4月以降

NY金価格のチャート:日足 24年4月以降

出所:TradingView


リスク回避の米ドル高を警戒

1日の外為市場は、米ドル高優勢の展開となった。アメリカの長期金利が4%を割り込んだにもかかわらず米ドル高優勢の展開となった理由が、株安である。

この日のアメリカ株式市場では、ダウ平均(DJI)が前日比494ドル(1.2%)安の4万0347ドルで取引を終えた。またこの日は、景気不安でエヌビディア(NVDA)など主力の半導体株が総崩れとなり、ナスダック総合株価指数は1万7194.14と前日比で405ポイント(2.3%)安となった。

米ドル以上にスイスフランと日本円が買われた状況も、外為市場でリスク回避(株安)が意識されていることを示唆している。

米ドル相場の動向:8月1日

米ドル相場の動向:8月1日 ブルームバーグのデータで筆者が作成

今日の注目材料は7月の米雇用統計

今日はアメリカの7月雇用統計が発表される。年3回の利下げが完全に織り込まれている状況で労働市場の軟化を示す内容となれば、昨日と同じく「株安→リスク回避の米ドル高」となる可能性がある。このケースでは、金価格の下落を警戒したい。

しかし、アメリカ長期金利の低下が米ドル高の影響を相殺する展開が予想される。ゆえに、金価格が上で取り上げたサポート水準(特に10日線)をトライする場合は、米ドル高がどの程度金価格のトレンドに影響しているのか?を見極めるたい。

アメリカ金利の低下以上に米ドル高の影響力が増す局面では、金価格の10日線ブレイクと短期サポートラインのトライを警戒したい。(上の日足チャートを参照)。

アメリカの雇用統計 各項目の動向:23年7月以降

アメリカの雇用統計 各項目の動向:23年7月以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成

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