期待高まる半導体株 関連指数は今年18%上昇 値上がり率には格差も
半導体関連株が好調だ。関連指数の今年の上昇率は18%でS&P500を大きく上回る。AI関連事業が注目されるエヌビディアなどが牽引している。
半導体関連株の値動きに注目が集まっている。主要な半導体関連銘柄で構成される米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2023年に入ってから18%上昇。幅広い銘柄が含まれるS&P500種株価指数の2.1%上昇と比べて絶好調といえる。なかでも人工知能(AI)関連事業の拡大を打ち出したNVIDIA(エヌビディア)の株価は6割超も値上がりする力強さだ。半導体関連企業の業績は回復途上で、株価の上昇率にもばらつきはあるが、投資家の期待は大きいようだ。
エヌビディア株は2023年に入って6割上昇
SOXはフィラデルフィア証券取引所が算出する株価指数。半導体の設計や製造、販売を手掛ける30社の株価で構成される。エヌビディアのほか、台湾積体電路製造(TSMC)やブロードコム、インテルなどが構成銘柄だ。
SOXの9日の終値は2980.21で、昨年末(2532.11)から17.7%上昇した。米国金利の先高観が強まった2月以降は伸び悩んでいるが、S&P500種が同じ期間で微増といえる状況を考えれば半導体関連株への投資家の期待がうかがえる。
なかでもエヌビディアの株価は昨年末から9日までに60.3%上昇した。エヌビディアは画像処理半導体(GPU)製造で強く、AI関連事業に用いられる半導体でも圧倒的なシェアを持つとされる。2月22日には言語処理能力の向上が話題となっている生成系AIの開発企業への支援体制を整えると発表し、翌日の株価は14%上昇した。また、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)の株価も昨年末から約30%値上がりしている。
半導体関連企業の業績は振るわない
ただ、SOX構成銘柄の中には株価の伸びが振るわない企業もある。インテルの9日の終値は26.44ドルで昨年末(26.43ドル)とほぼ同じ。テキサス・インスツルメンツの株価も約5%上昇に抑えられている。パソコンやスマートフォンのメーカーによる在庫圧縮などを背景に半導体関連企業の業績は総じて苦しい。投資家の期待が集まるエヌビディアでさえ2022年11月-2023年1月期決算は売上高が21%減、純利益が53%減だった。
一方、ゼロコロナ政策を撤廃した中国経済の復調が本格化すれば、半導体産業への追い風になるとの見方は強い。マイクロソフトが出資するオープンAI社の「Chat-GPT」が火をつけた会話型AIサービスをめぐる開発競争も、エヌビディアをはじめとする半導体関連企業にとっては商機だ。エヌビディアは21日にAI関連事業のイベントを予定しており、どのような方針を示すかも株価に影響しそうだ。
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