コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

円安進行143円台 日銀が利上げから距離 アメリカ経済見通しに不安

ドル円相場は日銀の植田総裁の発言を機に2円の円安が進行。米国経済の見通し不安が日銀の利上げを難しくしていることが材料視された。

円安進行143円台 日銀が利上げから距離 アメリカ経済見通しに不安 出所:Adobe Images

ドル円相場で円安が大きく進行した。20日午後の東京市場では、日本銀行の植田和男総裁の金融政策決定会合後の記者会見で相場の流れが急変。会見直前には1ドル=141円台後半だったドル円相場は会見終了後、143円台後半まで円安方向に振れた。植田氏の記者会見は利上げへの慎重姿勢を感じさせる内容。植田氏はアメリカ経済の先行き不透明感が日本の経済活動を下押しするリスクに言及し、ドル円相場では円安材料として意識された。ただしドル円相場をめぐっては、米連邦準備制度理事会(FRB)が18日に利下げに踏み切ったことが円高圧力として作用していくことも想定され、相場の流れが改めて変わる可能性もある。

【関連記事】円安一服、一時142円台 米長期金利上昇停止 景気見通し悪化材料視(2024年9月25日)

ドル円相場は143円台後半に 1時間半で2円の円安

ドル円相場(USD/JPY)は日本時間20日午後5時すぎの段階で1ドル=143.70円程で取引された。午後3時30分からの植田氏の記者会見開始前には141.72円をつける場面もあったが、1時間半ほどで2円もの円安が進んだ形だ。

ドル円相場の日足チャートと主な出来事のグラフ

日銀の植田総裁、利上げ判断に「時間的な余裕」

円安進行の要因となったのは植田氏の記者会見が利上げからの距離を感じさせたことだ。日銀は7月に1ドル=161.99円まで進んだ円安が輸入物価上昇を通じて国内物価を上振れさせると警戒してきたが、植田氏はその後の円高進行を踏まえ、「物価上振れリスクは相応に減少している」と言及。利上げの必要性を判断するための「時間的な余裕がある」と述べた。

一方、日銀はこの日までの金融政策決定会合で金融政策の維持を決定。植田氏は、経済や物価が見通しどおりに推移すれば、「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」との立場を維持した。しかし植田氏は同時に、利上げ時期については言及を避け、頻度についても「決まったペースがあるわけではない」と説明。金融市場では日銀の利上げに対する姿勢が弱まったとの受け止めが広がった。

アメリカ経済悪化なら日本経済に悪影響も

植田氏の発言のトーンに影響したのは、米国経済の見通しの不透明感だ。米国経済をめぐっては、8月2日に発表された7月雇用統計で失業率が4.3%まで上がったことを機に労働市場悪化の不安が拡大。植田氏は米国経済が物価上昇の鎮静化と景気後退回避を両立させる軟着陸(ソフトランディング)を実現するとの想定を維持しながらも、「リスクは少し高まっている」とした。仮に米国経済が大きく悪化すれば、日本経済にも悪影響が及び、日銀が重視する賃上げの継続にも不透明感が出てくるだけに、植田氏は米国経済の先行きを慎重に見極める立場を強調している。

ただし植田氏は日本経済がこれまでのところ、日銀の見通しどおりに推移しているとの立場を崩していない。20日朝に発表された8月の消費者物価指数(CPI)は総合指数の伸び率が前年同月比3.0%で、2023年10月(3.3%)以来の高さ。また、生鮮食品を除いた総合指数の伸び率は2.8%となり、2月(2.8%)以来の高さとなった。

日本の消費者物価指数の伸び率の推移のグラフ

FRBの利下げ継続の見通しは引き続き円高圧力に

8月の物価上昇の要因は電気料金やコメの価格上昇などの影響が大きいが、植田氏はサービス価格についても「賃金上昇を転嫁する動きもみられている」と強調。10月のサービス価格の改定や来年の春闘に向けた賃上げの動向なども分析し、賃上げと物価上昇が同時に進むどうかを確認する方針だという。このため今後、米国経済の軟着陸の可能性が高まっていけば、日銀が利上げに踏み切るというシナリオも現実味を増すことになる。

また、今後のドル円相場をめぐってはFRBが18日に4年半ぶりの利下げを決め、金融政策が節目を迎えたことの影響も出てくる。米国の利下げがさらに進んでいけば、日米の金利差が縮小し、ドル円相場での円高圧力として働くことは必至。さらにFRBの利下げが米国経済の軟着陸につながれば、日銀の利上げへの道筋を整えることも考えられる。20日は円安に振れたドル円相場が改めて円高方向に動き出す可能性もありそうだ。

日米の金利差とドル円相場の推移のグラフ

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券のFXトレード

  • 英国No.1 FXプロバイダー*
  • 約100種類の通貨ペアをご用意

* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。