円安ドル高圧力は高まるか 米国の小売売上高15日発表 増減率軟化予想
5月の米国の小売売上高は増減率が4月から軟化する見通し。予想よりも上振れればFRBは利上げ停止直後に出鼻をくじかれる。
米商務省が15日朝(日本時間15日午後9時30分)に発表する5月の米国の小売売上高は、米連邦準備制度理事会(FRB)にとって最初の試金石となる。市場予想では小売売上高の前月比増減率は4月から軟化する見通し。しかし予想よりも強い数字が出れば、14日に利上げ見送りを決めたばかりのFRBはいきなりつまづく形になる。ドル円相場(チャート)では日本時間の15日朝から円安ドル高が進んでおり、小売売上高の数字がさらに相場を動かす局面も想定される。
5月の米国の小売売上高は前月比0.1%減の見込み
ロイター通信のエコノミスト調査によると、5月の小売売上高は前月比0.1%減となる見込み。4月の0.4%から悪化し、2か月ぶりのマイナスになる見通しだ。また、金額が大きい自動車・自動車部品をのぞいた場合は0.1%増と予想され、こちらは2か月連続でプラスを維持するとみられている。
小売売上高の増減率が予想通りに前月よりも小さくなった場合は物価上昇圧力の弱まりを示す材料となる。米FRBは13、14日の連邦公開市場委員会(FOMC)で1年5か月ぶりに利上げを見送り、これまでの利上げが物価に及ぼす影響を見極める方針を示したばかり。小売売上高の弱さは物価上昇を警戒するFRBにとっては好材料といえそうだ。
米FRBの利上げ見送り後、東京市場で円安ドル高進展
しかし増減率が予想よりも高かった場合は、利上げペースを緩めたFRBは出鼻をくじかれることになる。過去10回にわたる合計5%の利上げが人々の消費意欲を十分に抑えられていない結果となれば、FRBは14日の利上げ見送りで、物価上昇との闘いで後手を取った形になりかねない。
一方、FRBは利上げ見送りを決めると同時に、7月以降の利上げの可能性も強く示唆した。FOMC後に示した経済見通しでは2023年中に2度の利上げがあるとの見方を示している。14日のニューヨーク外国為替市場では前日比でわずかに円高ドル安が進んだものの、15日の東京市場の時間帯では1ドル=141.30円程度までドルが買われている。FOMCの結果が発表される直前の水準(139.4円程度)から、2円近く円安ドル高が進んでいる形だ。
5月の小売売上高が強ければ、「年内2回の利上げ」の可能性も意識されやすくなり、ドル高圧力は働き続ける。FRBが利上げ見送ったにも関わらず、円安ドル高がさらに進んでいくシナリオも考えられそうだ。
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