半導体株躍進 日経平均、4万円目前 S&P500も高値更新継続
日経平均とS&P500が半導体株の躍進で勢いづいている。株価の割高感は高まっているが、今後の値上がりへの期待は消えない。
日経平均株価の上昇が勢いづいている。1日の終値は3万9910.82円で、4万円の大台が目前。約34年ぶりの史上最高値更新から1週間でさらに記録を伸ばしている形だ。人工知能(AI)ブームを背景に、引き続き半導体株が相場の牽引役となっている。また、アメリカの株式市場でもS&P500種株価指数が連日、史上最高値を更新中。AIブームに加え、物価上昇沈静化、堅調な経済成長という好条件がそろったことも安心材料となった。日米ともに株価の割高感は徐々に増しているが、投資家の今後の値上がりへの期待は衰えていないようだ。
半導体株の牽引で日経平均は3万9910.82円に
日経平均(N225)の1日の終値は1週間前比では812.14円高で、週次での値上がりは5週連続。この間の上げ幅は4159円となり、2月22日に達成した34年ぶりの史上最高値更新は通過点だったといえるほどの勢いだ。
アメリカのS&P500上昇もエヌビディアなどが後押し
半導体株の上昇は米国の株式市場でも鮮明だ。1日のS&P500構成銘柄の値動きでは、半導体大手のブロードコム(AVGO)が7.59%高、アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)が5.25%高、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(AMAT)が4.28%高となった。AIブームの立役者であるNVIDIA(エヌビディア、NVDA)も4.00%高となり、時価総額は2兆ドルを超えた。
こうした中、S&P500(SPX)の1日の終値は5137.08となり、1週間前比0.95%高。週次での値上がりは2週連続だ。S&P500は2024年に入ってから7.70%高で、1月19日以来、史上最高値を15回更新している。2月21日のエヌビディアの好決算が上昇を勢いづけた後も、29日発表の1月の個人消費支出(PCE)物価指数が物価上昇の落ち着きを示し、相場の安心材料となっている。2023年10-12月期GDP改定値が底堅かったことも、今後の見通しにとっては好材料だ。
日経平均のPERは23.61倍まで上昇
とはいえ、日経平均の上昇の勢いは急ピッチで、割高感が増していることは否めない。日経平均プロフィルによると、日経平均の水準と構成企業の会計年度ベースでの予想収益から算出される株価収益率(PER)は1日終値時点で23.61倍。1年前の3月1日の水準(16.45倍)を考えれば、予想収益の伸び以上に日経平均が上昇を続けてきたことが分かる。また、LSEGのデータによると、S&P500の水準と構成企業の今後12か月の予想収益から算出される株価収益率も20倍程度となっており、1年前の水準(17.81倍)から高まっている。現在のような急ピッチでの株価上昇が続けば、今後も株価収益率は上がっていきそうだ。
それでもAIの性能向上が日進月歩で続く中、AIの本格普及が始まれば、今後、AIの開発やサービス展開に不可欠な半導体への需要が増すとの思惑は消えない。経済の先行きや、AIサービスを展開する企業や半導体企業の業績などをめぐる大きな悪材料が出るまでは、日経平均やS&P500の値上がりに対する投資家の期待が膨らんでいきそうだ。
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