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エヌビディア、総収入の目標達成なるか 24日決算発表 前回は株価急上昇

エヌビディアの2023年2-4月期決算は自ら示した総収入の見通しをクリアできるかが焦点。株価が急騰した前回決算の再現はなるか。

出所:ブルームバーグ

米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)が24日の取引時間終了後に発表する2023年2-4月期決算は総収入を予告通りに伸ばせているかが注目される。エヌビディアはゲーム向け半導体の販売が激減する中でも、人工知能(AI)開発向け半導体の成長性が強みとなってきた。前回の決算発表時には、2-4月期の総収入の見通しで市場予想を上回る水準を示し、株価上昇を加速させている。経済の先行き不透明感を受けて企業がクラウドサービスへの出費を抑える中でも、エヌビディアが強さを示せるかどうかが株価を左右することになりそうだ。

エヌビディアの2023年2-4月期決算は減収減益予想

エヌビディアは日本時間25日午前6時に決算会見を開く。金融情報会社リフィニティブのデータによると、エヌビディアの2-4月期決算に関する市場予想は総収入が前年同期比21.4%減の65.1億ドル、エヌビディア決算で投資家が注目する調整ベースの1株当たり利益は32.6%減の0.92ドルと見込まれている。エヌビディアは過去12回の四半期決算のうち、1回で総収入が事前の市場予想を下回った。1株当たり利益では2回、市場予想をクリアできないケースがあった。

エヌビディアの業績(総収入、1株当たり利益)の推移

エヌビディアの株価は2022年秋以降に急回復

エヌビディアの株価(チャート)を2021年末を基準にしてみると、2022年10月半ばまでに約62%下落している。2022年5-7月期には総収入と1株当たり利益がそろって市場予想を下回るなどしており、同時期のナスダック総合指数の下落率(約34%)を大きく下回る株価の推移だった。しかしその後はAI開発向け半導体の成長性が評価され、現在は2021年末とほぼ同じ292ドル程度で取引されている。ナスダック指数は2021年末の8割程度までしか回復しておらず、エヌビディア株の復活ぶりが際立つ。

リフィニティブによると、直近の株価と予想年間収益率から算出される株価収益率(PER)は58.9倍。同業のインテル(33.3倍、チャート)やAMD(31.0倍、チャート)と比べてかなり割高な水準にある。アナリストが提示する目標株価の平均は290.10ドル。48人のうち13人が強い買い、23人が買いを推奨している。残り12人は維持を勧めている。

ゲーム向け半導体の不振をAI開発向けで補う

エヌビディアの株価が2022年秋までに急落した背景には、ゲーム向けの半導体事業の不振がある。2022年5-7月期のゲーム部門の収入は前年同期比33%減。その後も40%台後半から50%台前半の減少率が続いている。物価上昇や中国での新型コロナウイルス感染拡大がゲーム機の販売を落としたことなどが影響したという。

それでもエヌビディアの株価が急回復しているのは、AI開発向け半導体が含まれるデータセンター部門の成長が期待されるからだ。ゲーム画面の高速描画に適しているエヌビディアの半導体は、大量の計算を処理せねばならないAIの学習の効率化に向いているとされ、AI開発向けの半導体市場で8割のシェアを占めるといわれている。こうした追い風を受けて、エヌビディアは前回の決算発表で、2023年2-4月期の総収入が65億ドルになるとの見通しを示した。市場は63億ドル程度と見込んでいただけに、発表翌日(2月23日)の株価は前日終値比で14%超上昇した。

エヌビディアの部門別収入の推移

エヌビディアが実際の2-4月期決算発表で65億ドルを超える水準の総収入を示すことができれば、エヌビディアの株価には好材料となる。ただしクラウドサービスを提供しているアマゾン(チャート)はクラウド事業の4月の成長率が落ちていることを明かしているほか、マイクロソフト(チャート)も企業がサービス利用に幾分慎重になっているとの見方を示している。こうした中、市場はエヌビディアの5-7月期の総収入が71.4億ドルになると見込んでおり、エヌビディアがこれを上回る見通しを示せるかどうかも、株価を左右することになりそうだ。


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