ドル円、ユーロドル、ポンドドルそれぞの見通しとチャートポイント
米債市場では利回りの上昇が続き、外為市場では米ドル高のトレンドが進行している。ドル円(USDJPY)は新たな上値の水準を探る状況が続いている。一方、ユーロドル(EURUSD)とポンドドル(GBPUSD)は新たな下値の水準の見極めが焦点となっている。それぞれの通貨ペアの見通しは?注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・米金利は上昇基調を維持、外為市場では米ドル高トレンドがさらに進行中
・ドル円は149.00レベルの突破と節目の150.00のトライが焦点に
・ユーロドルはさらなる下値トライを意識する状況に、目先の焦点は1.0516レベル
・ユーロドルと同じ状況にあるポンドドルは、1.21台の維持が焦点に
上昇基調を維持する米金利、進行する米ドル高トレンド
底堅さを維持する米国経済、インフレ抑制を重視する連邦準備制度理事会(FRB)、原油先物価格の高止まり、そして米国債の需給懸念など複数の要因が複雑に絡み合い米金利は上昇基調を維持している。
金融政策の方向性を織り込む2年債利回りは5.1%台へ上昇し、2006年以来の高水準での推移が続いている。一方、10年債利回り(長期金利)は、4.54%台と2006年10月以来の高水準まで上昇する局面が見られた。
米金利のチャート:日足 2005年以降
進行する米ドル高のトレンド
米金利の上昇基調を受け、外為市場では米ドル高のトレンドがさらに進行している。
今年の7月中旬以降、米金利に上昇の圧力が高まると、この動きに追随し米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)は上昇基調のトレンドチャネルを形成。そして昨日は、今年5月31日の高値105.88レベルを大陽線で一気にブレイクアウトした。
今日以降の反落局面で104.70レベルと同じく105.88レベルがサポートの水準へ転換する場合は、米ドル高トレンドの強さを市場参加者に印象付けよう。
ドルインデックスのチャート:日足 年初来
ドル円、今日の見通しとチャートポイント
国内の長期金利は0.7%台まで上昇している。しかし、米金利の上昇幅が拡大していることで、日米利回り格差も拡大の傾向を維持している。このトレンドに変化が見られない限りドル円(USD/JPY)は、新たな上値の水準を探る展開が続くだろう。
今日もドル円が上値をトライする場合、目先の焦点はIG為替レポートで注目しているフィボナッチ・エクステンション76.4%の水準149.00レベルである。昨日は148.96レベルで上昇が止められた。149.00レベルを意識する動きと言える。
ドル円が149円台へしっかりと上昇する場合は、節目の150円を視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。
問題はその上昇スピード(ボラティリティ)である。急速に150円を目指す状況が見られる場合は、円安のけん制(政府・当局者による口先介入やレートチェック)そして実際の円買い介入を警戒したい。
一方、ドル円の反落局面では、強固なレジスタンスの水準だった148.00レベルがサポートの水準へ転換するかどうか?この点が焦点となろう。
10日線が今日現在、147.97レベルまで上昇している。円買い介入以外でドル円が反落する場合は、テクニカルの面でも148.00レベルの攻防が焦点となろう。
ドル円のチャート:日足 23年3月以降
ユーロドル、今日の見通しとチャートポイント
「米金利の上昇→米ドル高トレンドの進行」の影響は、ユーロドル(EUR/USD)にも及んでいる。
ユーロドルは7月18日を境にトレンドが転換し、下落基調のトレンドチャネルを形成している。そして昨日は、5月31日の安値1.0635レベルを日足ローソク足の実体ベースで完全に下方ブレイクした(下チャートの赤ゾーンを参照)。
米欧の中銀はともに利上げサイクルの最終局面にある。しかし、欧州中央銀行(ECB)の追加利上げの思惑は急速に後退している。米欧の景況感格差が意識されやすい状況にあることも考えるならば、ユーロドルは下値トライを意識する状況が続くと予想する。
目先の焦点は、3月15日の安値1.0516レベルである。この水準の攻防は、1.05台を維持する攻防でもある。昨日の安値1.0575レベルの下方ブレイクは、上のサポート水準(1.0516レベルや1.05レベル)をトライするシグナルと想定しておきたい。
一方、さえない経済指標などで米金利が低下する場合は、ユーロドルの短期的な反発相場が予想される。このケースでは、5月31日の安値1.0635レベルがサポートからレジスタンスの水準へ転換するかどうか?まずはこの点が焦点となろう。そしてこの状況が確認される場合は、ユーロドルの下落相場を意識する状況が続こう。
逆にユーロドルが1.0635レベルを上方ブレイクする場合、次の焦点は10日線のトライとなろう。この移動平均線は今日現在、1.0654レベルで推移している。
ユーロドルが10日線をも突破する場合は、1.07台への再上昇が焦点として浮上しよう。この水準の攻防も、サポートからレジスタンスへ転換するかどうか?を見極めるための攻防と想定しておきたい。
ユーロドルのチャート:日足 23年2月以降
ポンドドル、今日の見通しとチャートポイント
欧州中央銀行(ECB)と同じく、イングランド銀行(英中銀、BOE)も利上げサイクルの終了を意識する状況にある。
連邦準備制度理事会(FRB)と同じく市場参加者は英中銀による年内の追加利上げの可能性を意識している。
しかし、現在のポンドドル(GBP/USD)はその先に待ち構えている利上げサイクルの終了と利下げ政策への転換を意識する状況にある。
この点を示唆しているのが、先週21日の下落相場である。この日開催された英中銀イベント(政策金利の据え置き決定)を受け、重要サポートポイントの1.2310レベルを完全に下方ブレイクした。この動きは、英中銀が近い将来、政策の転換に追い込まれること先取りした動きと言える。
そして週明けもポンドドルの下落の勢いは止まらず、昨日は1.22レベルを下方ブレイクする局面が見られた(安値1.2194レベル)。米金利が上昇基調にあることも考えるならば、ユーロドルと同じくポンドドルも下値トライを意識する状況が続くと予想する。
今日もポンドドルが下落する場合、目先の焦点は昨日の安値1.2194レベルの下方ブレイクとなろう。これが確認される場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.2120レベルを視野に下落幅の拡大を想定しておきたい。このテクニカルポイントでの攻防は、1.21台の維持を見極めるための攻防となろう。
一方、さえない経済指標などで米金利が低下する場合は、ポンドドルの短期的な反発相場を予想する。このケースでは、1.2300-10レベルの攻防に注目したい。このゾーンがレジスタンスとして意識される場合、ポンドドルの地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。そしてポンドドルの下落トレンドを意識する状況が続こう。
上で述べたレジスタンスのゾーンをポンドドルが突破しても、1.2335レベルには10日線が控えている。現在の地合いの弱さを考えるならば、9月に入り相場の反発を止めているこの移動平均線でポンドドルが反落する可能性も想定しておきたい。
ポンドドルのチャート:日足 23年2月以降
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