FRB利上げ予想が拡大 3月雇用統計は堅調 12日発表のCPIの見通しは?
堅調だった3月の雇用統計はFRBの利上げを意識させた。ただ、賃金面では雇用の弱まりも感じられ、12日発表のCPIに注目が集まる。
米連邦準備制度理事会(FRB)が5月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを行うとの観測がじわりと広がっている。7日に発表された3月の雇用統計で労働市場の堅調さが確認されたためで、投資家が見込む0.25%利上げの確率は一時、7割超となった。一方、雇用統計では賃金上昇率が低くなり、雇用のひっ迫状況がゆるみ始めたようにもみえる。FRBは今後も経済情勢を慎重に見極める方針で、12日に発表される3月の消費者物価指数(CPI)が次の動きを占う試金石となりそうだ。
3月の失業率は前月から改善
3月の雇用統計は非農業部門の就業者数が前月比で23万6000人増。2月の32万6000人増(改定値)からペースダウンしたが、事前予想(24万人増)に対してはわずかに下回るにとどまった。また3月の失業率は3.5%で、2月の3.6%から雇用情勢が良くなる形となった。
FRBは労働市場の強さが物価上昇の要因のひとつだとみており、3月の雇用統計は利上げの必要性がいまだに薄れていないことを示す数字といえる。米CMEグループのデータによると、次回のFOMC(5月2、3日)での0.25%の利上げについて、投資家が予想する確率は雇用統計が発表された7日に71.2%となり、前日の49%から上昇した。こうした米国の利上げ見通しの強まりはドル買いにつながり、雇用統計発表前に1ドル=131.5円程度で推移していたドル円相場は132.2円程度まで上昇した。
平均時給の上昇は減速
ただし3月の雇用統計では雇用のひっ迫感の弱まりを感じさせる点もあった。平均時給の前年同月比伸び率は4.2%で、2021年6月(3.9%)以来1年9か月ぶりの低さ。FRBの利上げが始まった2022年3月につけたピーク(5.9%)から着実に減少している。賃金をさほど上げなくても働き手を確保できる状況の広がりを感じさせる内容だ。
こうした中、市場の関心は12日に発表される3月のCPIに集まる。先月発表された2月のCPIの食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率は前年同月比5.5%で、依然として高水準だったが、平均時給の伸び率の低下と足並みをそろえる形で下がってきているようにみえる。FRBが物価上昇率の判断材料として重視する個人消費支出(PCE)物価指数のコア指数の伸び率も、同様の動きをみせている。
CPI上昇率予想はコアで5.6%
ロイター通信がまとめているエコノミスト調査によると、3月のCPI伸び率はすべての品目を対象とした総合指数で5.2%、コア指数で5.6%になる見込み。3月の雇用統計を受けて拡大した利上げ観測は、次のCPIの結果によって改めて揺れ動くことになりそうだ。
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