米国株に緊張感 S&P500出足に失敗 年初3日は8年ぶり不振
2024年早々、アメリカの株式市場でS&P500がつまづいた。マグニフィセント・セブンの株価も冴えず、不安が広がる。
アメリカの株式市場の緊張感が高まっている。S&P500種株価指数の4日の終値は2023年末比で1.70%安。年始めの3営業日としては8年ぶりの悪い成績となった。S&P500は2023年11、12月に大幅な値上がりを記録しただけに失速が不安視される状況だ。これまで株価の上昇要因になってきた長期金利(10年物米国債利回り)の低下には一服感が出ており、大手ハイテク株の値動きも不透明感が強い。5日に発表される12月雇用統計などの経済指標や、1月下旬から本格化する決算発表シーズンが2024年の米国株の最初の試練となりそうだ。
S&P500は年初の3営業日で1.7%安
4日のS&P500(SPX)の終値は前日比0.34%安の4688.68。4営業日連続の値下がりとなった。2024年最初の3営業日での下落率は1.70%となり、4年連続での値下がりスタート。下落率としては2016年の年初3営業日(2.62%安)以来の大きさで、8年ぶりの悪い出足といえる。
S&P500は2023年11月には8.90%高という2000年以降の11月としては2番目の高さの値上がり率を記録。12月も4.42%高となり、2010年(6.53%高)以来の好調な結果だった。それだけに年明けのスタートダッシュ失敗はムードの変化も予感させる。4営業日続落は10月下旬以来だ。
アメリカの長期金利低下に一服感
年明けの株式相場が暗くなった背景には長期金利をめぐる思惑がある。連邦準備制度理事会(FRB)が3日に公表した12月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨は、金融市場が期待する早期の利下げ開始の確度を高めなかった。年明けの長期金利は3.9%台で推移しており、12月27日に3.7%台をつけた水準からは高くなっている。10月に一時5%台に達した長期金利が大きく低下してきたことは株式相場の追い風となってきただけに、このところの一服感は投資家心理を悪化させているようだ。
今後の米国株にとって最初の重要経済指標となる12月雇用統計は労働市場の過熱感の緩和が示される見通し。予想通りになればFRBによる利下げの確度が高まり、S&P500にとって追い風になることが想定される。ただし失業率が大きく上昇するなど、労働市場の過度な冷え込みを感じさせる結果になれば、株価にとっては逆風になることも考えられそうだ。また、1月下旬から始まるマグニフィセント・セブンの四半期決算発表で、各社が投資家の成長期待に応えられるかどうかも今後の株価を大きく左右するとみられる。
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