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米株高に追随できない長期金利 / 豪ドル米ドルと豪ドル円の焦点

今日のポイント:『米株高のトレンドに長期金利が追随出来ない状況となっている。この状況が続けばドル円は軟調な地合いが続くことが予想される。豪ドル/米ドルは0.73の攻防、豪ドル円は77円の攻防が焦点』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。

Source: Bloomberg Source: Bloomberg

米株高に追随できない長期金利

昨日の米国株式市場では主要3指数が反落した。一方、米債市場では長期金利(以下では米金利)が低下した。

これらの動向を受け外為市場では、円買い優勢の展開となった。

その一方で、ブラジルレアル、マレーシアリンギットそしてインドネシアルピアといった一部の新興国通貨は対米ドルで堅調地合いを維持した。

米株が下落しても新興国通貨を買う動きが続いていることは、投資家のリスク選好スタンスの根強さを示唆している。

しかし、そのリスク選好トレンド(=株高トレンド)に米金利は追随できずにいる

直近の動きを確認すると、節目の1.0%手前でキャップされ、10月以降の反発トレンドに陰りが見え始めている。

10月の小売売上高が市場予想を下回ったことで昨日の米金利は0.9%台から0.86%台まで低下した。

16日のレポートの『米金利にらみの外為市場』の項目で、今週は米指標データが米金利のトレンドを左右すると指摘したが、今日発表される住宅関連指標でも市場予想を下回る内容となれば、米金利の反発圧力がさらに後退する可能性があろう。

『米株高のトレンドに追随できない米金利』という状況が続く限り、外為市場では米ドル安のトレンドが続くと予想する。

米長期金利のチャート

米長期金利のチャート

豪ドル/米ドルは0.73台の維持が焦点

今年の4月以降、株高のトレンドにいち早く反応した通貨が豪ドルである。

対米ドルでの動向を確認すると、11月の米株高に連動して豪ドル/米ドルも上昇している。

しかし、今年9月の値動きを確認すると、0.73台での滞空時間が短いことがわかる。

よって、目先の焦点は0.73台の維持となろう。この水準を維持する局面が多く見られるならば、豪ドル/米ドルはさらに上値を目指す展開を予想する。このケースでは、9月1日高値0.7413のトライが焦点となろう。

一方、0.73台の維持に失敗し続ける場合は、0.70-0.73をコアレンジとした相場を想定したい。このケースでは、11月の中旬に下値をサポートした0.7220レベルの維持が焦点となろう。

0.7220を完全に下方ブレイクする場合は、21日MA(今日現在0.7186前後)の攻防となるかどうか?この点に注目したい。

豪ドル/米ドルのチャート

豪ドル/米ドルのチャート

豪ドル円のトレンドはドル円の動向次第

現在、豪ドル円は77円の攻防となっている。ドル円の動向次第で、この攻防の行方が左右されると予想する。

その理由は、両通貨ペアの相関関係にある。

11月以降の豪ドル円ドル円の相関係数は『0.63』であり、豪ドル/米ドル『0.66』とほぼ同じである。つまり、現在の豪ドル円はドル円の動きと高い連動性がある、ということである。

豪ドル円との相関関係

豪ドル円との相関関係



そのドル円は現在、米金利が株高のトレンドに追随できずにいることで、103円台を視野に下落基調が続いている。

この状況で『株高トレンド→豪ドル/米ドルが上昇』する展開となっても、ドル円の下落により豪ドル円は、77.00レベルで上値が抑制される可能性の方が高いだろう。

一方、米国市場が『株高/金利反発』となれば、77円以上の攻防が予想される。


昨日のように米国市場がリスク回避相場となれば、下落幅の拡大を警戒したい。

目先の焦点は75.72(11月13日安値)の維持が焦点となろう。

この水準を下方ブレイクする場合は、21日MA(今日現在75.15前後)の攻防を次の焦点として想定しておきたい。

豪ドル/米ドルの上昇とドル円の下落に挟まれた状況が続く場合は、73円-77円をコアレンジとした相場を想定したい。

豪ドル円のチャート

豪ドル円のチャート

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