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【ドル円 (USDJPY)】今週の見通しとチャートポイント

現在の米長期ゾーン利回りの上昇要因のひとつに挙げられるのが、景気の底堅さである。その景気動向を見極めるうえで、今週も重要な米経済指標がいくつか発表される。ゆえに今週のドル円(USDJPY)は、米国の経済指標で上下に振れる展開が予想される。注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

※今週のユーロドルの展望については、こちらのレポートをご覧ください


サマリー

・今週のドル円は、引き続き150.00レベルを意識する展開が続くと予想する
・10月以降、日米利回り格差はさらに拡大の傾向にある
・米金利のトレンドが変化しない限り、ドル円の下落幅は限定的と予想する
・今週、注目しておきたい上下のチャートポイントについて


150円台への上昇を意識する状況が続く

今週のドル円(USD/JPY)は、引き続き米金利にらみの状況が続くだろう。その米金利は、今週も経済指標で上下に振れる展開が予想される。

いくつか発表される重要経済指標のなかで、今週より注視しておきたいのが第3四半期(3Q)のGDP統計(速報値)の項目のひとつである個人消費、新規失業保険申請件数そして9月の個人消費支出(PCE)価格指数である。

それぞれの詳細については、こちらのレポートを参照していただきたい。

日米の利回り格差の動向を確認すると、5年と10年のそれらの利回り格差が拡大の傾向を維持している。この利回り格差は10月以降、さらに拡大の傾向にある。

国内の長期金利も0.8%台へ到達し、イールドカーブ・コントロール(YCC)の上限である1%を視野に上昇している。

しかし、米金利の上昇幅が拡大している状況で、今週の経済指標が米国経済の底堅さをあらためて示す場合は、「米金利の上昇→日米の利回り格差の拡大傾向」の状況が続くと予想する。

そして、上の状況はドル円の下支え要因となろう。ゆえに今週のドル円いも、150円台への上昇を意識する展開が続くと予想する。

ドル円と日米利回り格差のチャート:日足 23年3月以降

ドル円と日米利回り格差のチャート:日足 23年3月以降 ブルームバーグのデータをもとに作成

150円台の攻防へシフトする場合の焦点は?

日米の利回り格差の拡大傾向にサポートされ、ドル円(USD/JPY)が150円台の攻防へシフトする場合、最初の焦点は今月3日の高値150.16レベルの突破となろう。

この状況(150.16のブレイクアウト)が確認される場合は、さらなる上値トライが予想される。このシグナルとしてもう一つ注目すべきは、150.00-16レベルがサポートゾーンへ転換するかどうか?である。

これまで相場の上昇を止め続けていたこのゾーンがサポートへ転換する場合も、ドル円がさらに上値をトライするシグナルとなろう。

ドル円が150.16レベルの突破に成功する場合、次の上値のポイントは150円ミドルレベルが想定されるが、テクニカルの面では、フィボナッチ・エクステンション76.4%の水準150.63レベルをトライするかどうか?この点に注目したい。

ドル円が150.60台をも完全に上方ブレイクする場合は、151.00レベルを視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。

同時に、円買い介入またはこれに対する市場参加者の警戒感は、ドル円のボラティリティを拡大させる要因である。

政府・日銀の動向次第では、不意打ちのような急落が発生する可能性がある。150円以上の攻防では、常にこのリスクと向き合うことになるだろう。

ドル円のチャート:4時間足 10月以降

ドル円のチャート:4時間足 10月以降 TradingView提供のチャートで作成

反落局面での焦点は?

日米の利回り格差は拡大の傾向にある。しかしドル円(USD/JPY)は、150.00レベルで上昇が止められる状況が続いている。これは、上で述べた政府・日銀よる円買い介入の可能性を市場参加者が警戒している動きと言える。

今週、強い米経済指標でドル円が150.00レベルをブレイクアウトしても、150円台を維持する滞空時間が短い場合、または直近の高値150.16レベルの手前で相場の上昇が止められる場合は、ドル円の反落を意識したい。

しかし、米金利が上昇基調にある現状を考えるならば、ドル円が下値トライの展開となっても、その下落幅は限定的となることが予想される。

目先の焦点は、149円ミドルの攻防となろう。直近高安のフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準が149.47レベルにあたる。すぐ下の水準149.31レベルには今日現在、21日線が上昇している。23.6%の水準とともに相場をサポートする可能性があろう。

ドル円が21日線を下方ブレイクする場合は、149.00レベルを視野に入れる展開を想定しておきたい。149.05レベルはフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる。テクニカルの面でも149.00レベルは、重要なサポートの水準になり得る。

ドル円が149.00レベルを下方ブレイクする場合は、半値戻しの水準148.70レベルのトライを警戒しておきたい。このテクニカルポイントは、今月17日の下落を止めた経緯がある。円買い介入以外でドル円が下値をトライする場合、現時点では148.70前後が下限となる展開を予想する。

なお、ドル円の反落局面では、ストキャスティクスやRSIで反転のタイミングを見極めたい。直近1週間のRSIは、40レベルで反転するトレンドパターンが見られる。

ドル円のチャート:1時間足 10月以降

ドル円のチャート:1時間足 10月以降 TradingView提供のチャートで作成

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