ポンド円、今週の見通しとチャートポイント
ポンドドルが下落トレンドにあるにもかかわらず、ポンド円は現在、重要チャートポイント184.00レベルで底堅さを維持している。今週、ポンド円を動かす材料は?注目しておきたい上下のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・ポンド円は現在、対米ドルでの下落をドル円の上昇が相殺する状況にある
・そのドル円は本日、重要レジスタンスポイントの145.07を突破する局面が見られた
・184円がサポート転換となれば、ポンド円のさらなる上値トライが予想される
・一方、ポンド円の反落要因は7月CPIの低下と国内サイドの円安けん制となろう
ドル円の上昇にサポートされるポンド円
ポンド円(GBP/JPY)は現在、184円台の攻防となっている。
具体的には、先週の10日以降、レジスタンスの水準として意識されている184.20台を完全に突破する場合、もう一段の上昇が期待できる状況にある。
ポンド円のチャート:1時間足 8月7日以降
ポンドドル(GBP/USD)は現在、短期レジスタンスラインで何度か戻りが止められ、トライアングルの下限をトライする状況にある。
MACDは低下トレンドを形成しながら、ゼロラインを下回る状況にある。さらに21日MA(今日現在1.2817レベル)が下方トレンドへ転じている状況も考えるならば、ポンドは対円でも下落する可能性がある。
ポンド円(GBP/JPY)が下値トライとなる場合、目先は短期サポートラインや183.00レベルの攻防(183.00レベルのサポート転換の見極め)が焦点となろう(上の1時間足チャートを参照)。
ポンドドルのチャート:日足 23年5月以降
しかし、冒頭で述べたとおりポンド円は184円前後で底堅さを維持している。
この主因は、ドル円(USD/JPY)の上昇幅の拡大にある。
ドル円は本日午前の時間帯に、重要レジスタンスポイントの145.07レベルを突破し、高値145.22レベルまで上昇する局面が見られた。
今年に入ってからのポンド円(GBP/JPY)、ドル円そしてポンドドル(GBP/USD)の関係を相関係数で確認すると、ポンド円とドル円のそれが0.66と正の相関の高さを示している。
一方、ポンド円とポンドドルの相関係数は0.40であり、ドル円のそれよりかなり低い。
ゆえに現在のポンド円は、ドル円の動きに影響を受けやすい状況にあると考えられる。
ポンド円、ドル円、ポンドドルの相関係数マトリクス
ポンド円、今週の焦点とチャートポイント
184.20ブレイク後のチャートポイントは?
ドル円(USD/JPY)が底堅さを維持し、そのドル円の動きに影響を受けている状況を考えるならば、今週のポンド円(GBP/JPY)の焦点は、新たなレジスタンスの水準を探ることにあろう。
184.20台のブレイクアウトは、ポンド円がさらに上値をトライするシグナルと想定しておきたい。
ポンド円が184円台の攻防へシフトする場合は、1円レンジでレジスタンスの水準を探ることになろう。ゆえに目先の焦点は、185.00レベルのトライとなろう。一方、V計算値では186.06レベルが上値のターゲットとして浮上する。
まずは、上で述べた2つのチャートポイントでの攻防となるか?この点に注目したい。
そしてポンド円がこれらの水準(185.00レベルと186.00レベル)を突破する場合、調整の反落局面で今後はこれらの水準がサポートの水準として意識されるかどうか?を確認したい。
なお、後者の点(サポート転換の確認)については、184.20を上方ブレイクした後の反落局面での焦点でもある(184.00レベルのサポート転換が焦点に)。
ポンド円のチャート:日足 23年6月以降
反落局面でのチャートポイントについて
一方、ポンド円(GBP/JPY)が184.20前後の突破に失敗し、反落ムードが高まる場合は、サポートの水準やレジスタンスの水準として意識された経緯のある182.50レベルの維持が焦点となろう。
上で述べた183.00の下方ブレイク(サポート転換の失敗)は、182.50レベルをトライするシグナルと想定しておきたい(上の1時間足と日足チャートを参照)。
ポンド円が182.50レベルを完全に下方ブレイクする場合は、レジスタンスラインからサポートラインへ転換し、184円トライの起点となった21日MAのトライが次の焦点として浮上しよう。この移動平均線は今日現在、181.85レベルで推移している(上の日足チャートを参照)。
ポンド円の反落要因
なお、今週ポンド円(GBP/JPY)の反落要因として注目したいのが、16日に発表される7月の消費者物価指数(CPI)である。
総合では、前年比で前月の7.9%から6.8%へ大幅に低下する見通しとなっている。一方、コア指数は、同比で前月の6.9%から6.8%へ小幅低下の予想となっている。
サービス価格にピークアウトの兆しが見え始めている状況を考えるならば、英国内のインフレが鈍化の傾向にあることが7月CPIでも確認される可能性がある。
実際に7月CPIが予想以上に低下する場合は、一時的にせよポンド独歩安の展開が想定される。このケースでのポンド円は、上で述べたサポートポイントの攻防に注目したい。
一方、7月CPIが予想外に上昇して英国のインフレ圧力の根強さがあらためて確認される場合は、英中銀(BOE)の利上げ姿勢の維持が強く意識され、ポンド円は上値トライの展開が予想される。
このケースでは、上で述べた185.00レベルやV計算値の水準186.06レベルのトライおよび突破が焦点となろう。
英国の消費者物価指数(CPI)の推移
突然の円安けん制に要注意
上で述べたとおり、ドル円(USD/JPY)は今日の午前中にいきなり145.07レベルを上方ブレイクしてきた。2022年9月に政府・日銀は、ドル円が145円に上昇したタイミングで介入に踏み切った経緯がある。米金利が上昇トレンドにある以上、今週もドル円は上値トライの展開が予想される。
ゆえに、今週以降は、日本の当局による突然の円安けん制を警戒しておきたい。口先にせよ円安のけん制がある場合、ポンド円は瞬間的に下落幅が拡大することが予想される。
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