トランプ銘柄、株価急騰 上昇期待高まる一方 大統領選は混戦予想
アメリカの株式市場でトランプ銘柄が急騰。大統領選の接戦州での優勢が値上がり期待を高めている。ただ、大統領選が混戦になる見通しは変わっていない。
約2週間後に迫ったアメリカ大統領選挙に関連して、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領と関わりが深い銘柄が急騰している。トランプ氏のSNSの運営を手掛けるトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ（TMTG）などの株価は9月下旬以降の約4週間で2.4倍まで上昇。株式市場ではトランプ氏の勝利への期待が高まる一方のようだ。背景には大統領選の勝敗を左右する接戦州でトランプ氏が優勢になりつつある情勢がある。ただし接戦州の行方は引き続き不透明で、大統領選が混戦になるとの見通しは変わっていない。トランプ銘柄は値動きの激しさが特徴でもあり、急落のリスクもはらんでいそうだ。
トランプ銘柄は4週間で2.4倍も 9月下旬以降に急騰
共和党のトランプ氏と民主党候補のカマラ・ハリス副大統領の事実上の一騎打ちとなっている大統領選が11月5日に迫る中、トランプ銘柄の株価が勢いづいている。LSEGによると、トランプ氏が立ち上げたSNSの「トゥルース・ソーシャル」を運営するTMTGの株価（DJT）は18日の終値で29.58ドル。9月23日につけた直近の安値（12.15％）から2.43倍になった。TMTGは3月26日、すでに上場していた特別目的会社との合併で上場を果たしたばかりだ。また、2020年の大統領選でトランプ陣営のスマートフォンアプリを開発したとされるファンウェアの株価（PHUN）も同じ期間で2.35倍になっている。
また、刑務所運営などの事業を展開するジオ・グループ（GEO）は、トランプ氏の看板政策である不法移民取り締まり強化の恩恵を受けると目され、株価が上昇。トゥルース・ソーシャルにクラウドサービスを提供しているランブル（RUM）の株価も値上がりしている。
トランプ銘柄の株価は、6月27日夜の大統領選討論会で、当時続投を表明していたジョー・バイデン大統領の高齢問題への懸念が高まったことで大きく上昇。7月13日のトランプ氏の暗殺未遂事件後に大きく値上がりしたが、その後は9月下旬まで下落傾向だった。7月下旬以降に続いた、バイデン氏の撤退表明や、民主党によるハリス氏の候補者指名、9月10日の討論会でハリス氏が優勢とみなされたことなどがトランプ銘柄の逆風になったためだ。
大統領選挙は混戦見通し 接戦州でトランプ氏が優勢？
そのトランプ銘柄が一気に勢いづいた背景には、大統領選の情勢がある。米政治サイトのリアル・クリア・ポリティクスによる世論調査のまとめでは、大統領選の勝敗は約9州の接戦州の帰趨が握っているもよう。9月下旬以降は、ペンシルベニア州やミシガン州といった選挙結果に与える影響が大きい重要州で、トランプ氏が優勢となる動きが出ている。このほかネバダ州やウィスコンシン州でもトランプ氏が有利に選挙戦を進めているようだ。
ただし残り2週間となった大統領選挙の見通しは引き続き不透明。ハリス氏が接戦となっている重要州のうち3つ程度で勢いを取り戻せば、ハリス氏勝利への期待が高まる可能性がある。トランプ銘柄の中でもTMTGやファンウェアの株価は大統領選をめぐる思惑で大きく揺れ動くだけに、急落のリスクも潜んでいるといえそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。
