米国株、臨戦態勢 大統領選挙銘柄に期待 接戦見通しでS&P500反落
アメリカの株式市場では4日にトランプ銘柄やハリス銘柄が上昇。一方、S&P500や大手ハイテク株は下落しており、投資家の緊張感が感じられる。
アメリカの株式市場に大統領選挙を翌日に控えた臨戦ムードが感じられている。5日の大統領選挙に向けては、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領と民主党候補のカマラ・ハリス副大統領が接戦を展開。4日の株式市場では代表的なトランプ銘柄とハリス銘柄がいずれも上昇しており、どちらの候補にも勝利への期待があるようだ。ただし4日のS&P500種株価指数は反落しており、相場急変への警戒感は強い。大手ハイテク株のうちの好決算銘柄の値動きも低調で、金融市場の動きからは株式市場の今後の見通しへの不安も感じられる。
アメリカ大統領選挙は接戦見通し トランプ銘柄とハリス銘柄がそろって上昇
米国の大統領選挙は5日に投開票される。日本時間の6日午前から各州ごとの結果がしだいに判明していく見通しだ。米政治サイト、リアル・クリア・ポリティクスによると、538人の選挙人のうち、トランプ氏は219人を確保する勢い。一方、ハリス氏は211人を獲得しそうだが、いずれも勝利に必要な270人には届いていない。明確な優劣がついていない接戦州のうち、トランプ氏は現状でわずかにリードしているペンシルベニア州を守りきることが勝利への条件。一方、ハリス氏はペンシルベニア州を取り返せば勝機が見えるが、同時にやや優勢なウィスコンシン州やミシガン州を取りこぼさないことが求められる。
こうした中、4日の株式市場では両候補との関連が深い銘柄がそろって上昇した。トランプ銘柄の筆頭であるトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(DJT)は前週末終値比で12.37%高。2020年の大統領選挙でトランプ陣営のスマートフォンアプリを開発したとされるファンウェア(PHUN)も2.52%高となった。トランプ銘柄の10月半ばまでの勢いは、ハリス氏の巻き返しを受けて急減速したが、最終盤で再び期待を集めているようだ。
同時に4日にはハリス銘柄も上昇した。民主党の地球温暖化対策の恩恵が期待される太陽光発電システムの開発を手掛けるファースト・ソーラー(FSLR)は4日に3.58%高。ハリス氏が打ち出す住宅投資促進政策が追い風になると目されるDRホートン(DHI)も1.85%高となった。民主党の勝利は、法人税率引き上げや金融所得課税の強化の見通しを強め、株式市場の重荷となるともみられているが、特定の個別株が上昇するとの思惑は根強いようだ。
S&P500の値動きには緊張感 アマゾンやアルファベットなど好決算企業も低調
一方、株式市場全体のムードには緊張感が漂っている。4日のS&P500(SPX)の終値は前週末比0.28%安の5712.69。大統領選挙と上下両院の選挙結果が上昇につながる筋書きも考えられるが、勝敗の見通しがつかない中、株式市場のムードは盛り上がりに欠けている。
また大統領選挙が近づく中で、大手ハイテク企業の株価も低調だ。アマゾン・コムの4日の株価(AMZN)は前週末比1.09%安。2024年7-9月期の好決算を受けて株価が6.19%高となった1日の勢いにブレーキがかかった。また、10月29日に好決算を発表したアルファベット(GOOGL)も翌30日は2.82%高となったが、その後、11月4日までの3営業日では2.99%安だ。テスラ(TSLA)は10月23日の決算発表翌日に株価が21.92%高となった後、28日からは6営業日続落している。
VIX指数は高止まり続く S&P500の大統領選挙後の値動きに警戒感
米国経済の今後の見通しを大きく左右する大統領選挙と上下両院選挙の結果が判明すれば株式相場への期待が大きく上下することが考えられる。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)は4日終値で21.98という高止まりの状況が続いており、S&P500の値動きが荒くなることへの投資家の警戒感は依然として強い。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。