2月の米CPI、上振れなら市場に波乱も エコノミスト予想は6.0%上昇
2月の米CPIが強ければシリコンバレーバンク破綻に対応するFRBにとっては難題。利上げ観測が再燃すれば、株価下落圧力になりえる。
日本時間14日夜に発表される2月の消費者物価指数(CPI)が金融市場に波乱を起こす懸念が出ている。米連邦準備制度理事会(FRB)はこれまで物価上昇抑制のため利上げを続けてきたが、10日のシリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻で利上げのハードルが高まっている。一方、2月のCPI上昇率がアナリスト予想の6.0%を上回れば、FRBが物価上昇抑制のために利上げを視野にいれざるをえないとの見方が再燃し、投資家心理を冷やす可能性がある。
利上げは金融機関の財務に悪影響も
米国のCPIは1月は前年比6.4%増だった。2022年6月のピーク(9.1%)からは落ち着いているが、依然として高い水準にある。このためFRBは21、22日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げペースを加速させるとの見方もあったが、SVBの経営破綻で状況は一変。FRBの利上げは債券を保有する金融機関の財務状況を悪化させる一因となるため、金融市場ではFRBが利上げを見送るとの見方が拡大している。
しかし米国東部時間14日午前8時半(日本時間午後9時半)に発表されるCPIはFRBに難しい対応を迫る可能性がある。ロイター通信によるエコノミスト調査によると、2月のCPI上昇率の予想値は6.2%から5.8%の間で、中央値は6.0%。実際のCPI上昇率が予想を上回れば米国の物価上昇の厳しさが改めて意識され、FRBは金融システムの健全性への不安が高まっている中でも物価上昇抑制のための利上げを排除できなくなるとの観測が生じかねない。
SVBの経営破綻を機にFRBによる利上げ観測が後退したことは、米国の株価を下支えする要因になっている。13日の米国株式市場ではS&P500種株価指数が前週末終値比0.15%下落、ダウ工業株30種平均も0.28%下落する一方、ナスダック総合指数は0.45%値を上げていた。このため2月のCPIが上振れし、利上げ観測が再燃すれば、株価に下落圧力がかかることも想定される。
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