米国経済崩れず 長期金利上昇でドル高圧力上積み サービス業景況感は?
アメリカの長期金利は約4か月ぶりの高さに。ドル円相場は膠着状態だが、3日発表のサービス業景況感がドル高圧力を弱める可能性もある。
アメリカの金融市場で金利の上昇が続いている。2日のニューヨーク債券市場では長期金利(10年物米国債利回り)が約4か月ぶりの高水準に到達。この結果、FX市場ではドル高圧力が増している。米国経済の堅調さを示す経済指標などを受けて、連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測がじわじわと後退しているためだ。一方、ドル円相場では日本政府の為替介入への警戒感が強く、1ドル=151円台での膠着状態が続いている。ただ、3日に発表されるサービス業の景況感がドル高圧力にブレーキをかける可能性もありそうだ。
アメリカの長期金利は11月下旬以来の高さまで上昇
LSEGのデータによると、2日のニューヨーク債券市場の長期金利の終値は4.365%で、前日から0.036%ポイント上昇。11月27日(4.388%)以来の高水準となった。こうした中、FX市場ではドル高の動きが出ている。ドルの相対的な強さを示すドルインデックス指数(DXY)は1日に105.019まで上昇し、11月13日(105.631)以来の高さとなった。2日は104.816まで下がったものの、引き続きドル高圧力を感じさせている。
長期金利上昇の背景にあるのは米国経済の堅調さだ。1日に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した3月の製造業景況感指数は50.3となり、1年6か月ぶりに「拡大」を示す領域まで上昇。新規受注や輸出が好調で、企業活動が活発化している。
また、3月29日に発表された2月の個人消費支出(PCE)物価指数では、モノの物価の伸び率が前年同月比マイナス0.2%となり、1月(マイナス0.5%)から物価下落のペースが弱まった。これに対して、サービス価格の伸びはプラス3.8%と高いままで、全体としての物価上昇率が高止まりする筋書きを感じさせている。こうした中、FRBの利下げ時期をめぐる観測はやや後退しており、金融市場で見込まれる6月までの利下げの確率は1日午前には57%まで減った。
米サービス業景況感の結果がドル円相場を動かす可能性も
一方、ドル円相場(USD/JPY)は、日本政府による為替介入への警戒感から1ドル=151円台での膠着が続く。27日には151.97円をつけたが、2022年10月の為替介入水準(151.94円)を超えたこともあり、152円台までドルを買う動きにはつながっていない。
ただ、日本時間3日午後11時にISMが発表する3月の非製造業(サービス業)景況感指数はドル円相場に影響を及ぼす可能性がある。約1か月前に発表された2月のデータが市場予想を下回った際、ドル円相場で146円台まで円高ドル安が進行するきっかけになったからだ。
ロイターがまとめた事前予想では、3月のサービス業景況感指数は52.7になると見込まれている。結果が予想を下回れば、サービス物価の上昇が鈍化し、全体としての物価上昇率を抑えるシナリオが意識され、ドル高圧力が一服する材料になることも想定される。しかしサービス業の景況感が予想を上回った場合には、今後もドル高圧力が弱まらないことを意味し、ドル円相場での緊張感が高まることも考えられそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。