FXのリスク管理手法を初心者にもわかりやすく解説
FXは外国為替証拠金取引とも呼ばれ、異なる通貨同士を売買する取引です。FXはそのメリットに目が行きがちですが、安全に取引を行うためにもどのようなリスクやデメリットがあるのかについて、そしてリスク管理手法について知っておきましょう。
FXのリスクとは?
FXはリスクが高い、損をすることが多いというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
FX取引のメリットとして、レバレッジを生かして取引できることが挙げられます。レバレッジを使うと、少ない資金で大量の通貨の取引が可能となるのです。しかしメリットがある半面、デメリットやリスクがあることも忘れてはいけません。
FXのリスクには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか? 代表的な4つのリスクについて説明します。
1.レバレッジリスク
レバレッジリスクとは、レバレッジを利用することにより損失が大きくなるリスクのことをいいます。
レバレッジを利用すると、手持ちの証拠金以上の額を取引できるようになります。圧倒的な利益を期待できる半面、仮に相場が思うように動かなかった場合に維持証拠金を上回るというリスクがあります。
このように、レバレッジは利益および損失の両方を増幅させるということを、常に念頭に置く必要があります。潜在的損失が維持証拠金を上回ることもあるのです。
レバレッジを利用して取引を行った場合、最大損失見込額は投資比率と比べてより大きくなります。ただし、損失を被る可能性のある最終的リスクは、総取引額で資産を購入した場合も、証拠金のみを入金した場合も、同じであることを忘れないでください。
そのため、保有ポジションに関して、証拠金額のみでなく総取引額で考えることをお勧めします。潜在的損失を十分にカバーする準備ができるまでは、レバレッジを使った取引は見合わせたほうが良いでしょう。
2. 金利変動リスク
金利変動リスクとは、金利が変動することにより、その資産の価値も変動するリスクのことをいいます。
通貨ペアの対象となる国家間の金利の差により決定されるのがスワップポイント(スワップ金利)です。スワップポイントは取引開始時にプラスだった場合でも、金利の差に変更があった場合マイナスになってしまう可能性もあります。
スワップポイントはFX提供会社のホームページに掲載されているので、取引前にチェックするようにしましょう。FXでポジションを長期にわたって保有しようと考えている場合には特に、こまめにチェックすることをお勧めします。
3.流動性リスク
流動性リスクとは、市場の流動性が低い場合に希望する金融商品の売買が成立しなかったり、スプレッドコストが上昇したりするリスクのことです。
米ドルやユーロ、日本円などの主要国通貨であれば、取引量が多い、つまり流動性の高い状態にあり、希望の売買が成立します。しかし、エキゾチック通貨と呼ばれるマイナーな通貨は主要通貨に比べて市場参加者が少ないため、流動性が低く、希望する取引が成立しないことがあります。
特にその通貨の主要国における祝日や、天変地異、政治イベント、戦争、為替管理政策の変更といった特殊な状況下においては特定の通貨の取引が困難または不可能となる可能性もあります。
4. システムリスク
システムリスクとは、コンピュータシステムのダウンまたは誤動作など、システムの不備などに伴い顧客や金融商品取引業者が損失を被るリスクや、コンピュータが不正に使用されることにより顧客や金融商品取引業者が損失を被るリスクのことをいいます。
システムリスクを防ぐには、FX提供会社のシステムがどのようになっているか、取引を始める前にデモ口座などを活用してチェックしましょう。また、 FX提供会社のホームページなどに掲載されているメンテナンス情報などを毎日チェックするようにしたり、いざというときのサポート体制を事前に確認したりしておくことも有用でしょう。
FXのリスク管理 2つのポイント
FXのリスク管理の重要性がわかってきたかと思いますが、実際にどのようにリスク管理をすればいいのか分からない方も多いと思います。
次に、FX初心者が気を付けるべきリスク管理のポイントを2つ紹介します。
ポイント1.FXテクニカル分析の代表的な方法をおさえる
FXではテクニカル分析を行うことで、「運や勘などに頼ってなんとなく取引してしまう」という状態を避けることができます。
テクニカル分析とは、チャートを利用して過去の相場の値動きに着目し、取引戦略を立てることです。過去に起こったパターンは未来にも起こりうるとの考えに基づいています。ただし、これは必ずしも将来の動きを保証するものではないため、このことを理解した上で運用しましょう。
テクニカルアナリストは、チャートのトレンドやパターンを見つけるためにさまざまなテクニカル指標を用います。
基本的なテクニカル指標として、移動平均線、ボリンジャーバンド、一目均衡表、MACD、RSIの5つを紹介します。
・移動平均線
ある一定期間の価格から平均値を計算し、一本の線で表すテクニカル指標です。移動平均線を算出するには一定量のデータが必要です。たとえば10日の移動平均線では10日分のデータ、1年の移動平均線では1年分のデータが必要です。
・ボリンジャーバンド
市場の移動平均線と、その上下に値動きの幅(価格帯)を示したテクニカル指標です。各価格帯(またはバンド)は、市場の移動平均線からの標準偏差を表します。
・一目均衡表
一目均衡表は転換線、基準線、2本の先行スパンそして遅行スパンの5本線を使用して相場のトレンドや先行きを予測します。
・MACD(マックディー)
相場の勢いを確認するためのテクニカル指標です。2本の移動平均線の動向で相場の状況を判断します。相場が上昇しすぎて加熱のシグナルが示現する場合は売り、逆に売られすぎのシグナルが示現する場合は買いを仕掛けます。
・RSI
相対的な相場の強弱を測るものです。上昇変動と下落変動のどちらの勢いが強いのかを測定する、テクニカル分析の代表的な指標です。
ポイント2.FX損切り目安を設定する
損切りとは、現在保有しているポジションが含み損を抱えている状態で、これ以上損失がふくらむ前に決済することです。
マーケットが予想と反対の方向に動いていたとしても、人は損切りをためらってしまうことが良くあります。ひょっとしたら、マーケットの動きがまた変わるかもしれないと期待してしまうからです。しかし、そうするうちにどんどん損失がふくらんでしまう可能性があります。
こういった状態に陥ることを防ぐために、必ず取引を始める前に自分のルールを設定し、損切りをするポイントはどこかを決めておきましょう。こうすることで取引中の心理状態により損失が拡大することを防ぐことができます。
FXリスク管理手法のまとめ
FXには、レバレッジをかけることで少額の資金で多くの取引ができる、24時間取引ができる、下落局面でもチャンスが狙えるなどのメリットがある一方、レバレッジにより利益だけでなく損失も拡大する可能性や、金利変動のリスク、流動性が低い場合に売買が成立しないリスクなどもあります。
初心者の方は特に、ここで紹介した2つのリスク管理手法を実践し、安全な取引ができるよう心掛けてください。
起こりえるリスクとそのリスク管理について学んだところで、さっそくFX取引を始めてみませんか?
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