アマゾン、好決算で株価急騰 一時10%超高 コスト削減で黒字幅拡大
アマゾンの4-6月決算は利益が大幅に拡大する好決算。時間外取引で株価は急騰した。ただしクラウド事業の減速は続いている。
アマゾン・コムが3日の取引時間終了後に発表した2023年4-6月期決算は黒字が大幅増となる好決算だった。1株当たり利益は2021年10-12月期以来の大きさで、アマゾンの株価は時間外取引で一時、10%超上昇した。収益改善の要因となったのは物流網などのコスト削減で、北米事業の営業黒字が大きく改善している。ただし主力事業のひとつであるクラウド事業の減速は続いている。
アマゾンの4-6月期決算は総収入が10.8%増
アマゾンの4-6月期決算は総収入が前年同期比10.8%増の1343.83億ドル。直前の市場予想の1315.01億ドルを上回った。また1株当たり利益は0.65ドルで、前年同期の0.2ドルの赤字から黒字に転換。市場予想の0.35ドルも大きく上回った。1株当たり利益は2021年10-12月期の1.39ドル以来の大きさだ。
投資家の期待を超える好決算を受け、アマゾンの株価(AMZN)は急上昇した。3日の終値は128.91ドルだったが、時間外取引中に決算内容が伝わると、一時、142ドル台後半まで値上がりした。その後は140ドル程度で推移した。
物流網の効率化などのコスト削減が奏功
アマゾンの好決算を後押ししたのは、コスト削減への取り組みだ。アマゾンは新型コロナウイルス禍で急増したインターネット通販事業への需要に対応するため、物流網を拡充。しかしコロナ禍が治まり始めた後は、巨大な物流網が利益を圧迫する要因となってきた。こうした中、アンディ・ジャシーCEOは決算会見で米国の物流網を8つの地区にわけて運用する改革の結果、商品が顧客に届くまでに移動する距離が19%減少したなどと説明。「初期段階の取り組みでよい結果が得られた」としたうえで、「さらに効率化を進めるための方策がいくつかある」として、今後もコスト削減を進めていく考えを示した。
この結果、アマゾンの北米事業は収益性が大幅に改善。4-6月期の営業利益は32.11億ドルで、2021年1-3月期(34.50億ドル)以来の大きさとなった。北米事業は2022年10-12月期まで5四半期連続で営業赤字だっただけに状況が様変わりした形だ。また、国際事業は8四半期連続の営業赤字だが、赤字幅は8.95億ドルまで縮小している。北米事業と国際事業を合計したベースでみると、4-6月の営業利益は23.16億ドルで、8四半期ぶりに黒字に復活した。
一方、急拡大してきたクラウド事業は成長が鈍化している。4-6月期の収入は221.4億ドルで、前年同期比12.2%増。1-3月期の伸び率(15.8%)から鈍化した。10%増程度だった市場予想は上回ったものの、6四半期連続で伸びが弱まっており、先行きに不安を残す結果だ。ただ、ブライアン・オルサブスキーCFOは決算会見で、クラウド事業の成長について「安定してきた」と言及。ジャシー氏も、企業は4-6月期もクラウドサービスへの支出を見直そうとしてきたと認めつつ、人工知能(AI)サービスも提供されるクラウドを使った業務改革に目を向ける企業も増えてきたと説明し、今後に期待を示した。
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