豪中銀、2会合連続で利上げ見送り 1年4か月ぶり 豪ドル円下落
RBAが1日の理事会で7月に続き利上げを見送った。過去の利上げの物価抑制効果を見極める。豪ドル円相場は下落した。
オーストラリアの中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行(RBA)は1日の理事会で7月に続いて利上げの見送りを決めた。RBAはこれまで積み重ねてきた利上げが物価動向に与える影響を見極める考え。2会合連続の見送りは1年4か月ぶりで、利上げペースが減速した形だ。今後についても追加利上げの可能性を示唆している。理事会の発表後、豪ドル円相場は1円近く円高豪ドル安に振れている。
豪中銀、利上げペースを減速
RBAは声明で、7月同様、4.1%に達した現在の政策金利が「経済における需要と供給のより持続的なバランスを探っているところだ」と分析。金融政策を維持することで、経済の状態や今後の見通し、リスクを検討するための時間をさらにとることができるとしている。一方、4-6月期の消費者物価指数(CPI)の総合指数の伸び率が前年同期比6.0%だったことについては「高すぎる」とし、物価上昇率を2-3%の目標に近づけていくことの重要性も強調している。
RBAは2022年5月から利上げを開始。2023年4月に11会合ぶりに利上げを見送った後、5、6月に利上げを行い、7、8月は利上げを見送った。四半期ベースでみると、4-6月期は1度利上げを見送り、7-9月期はすでに2度の利上げを見送っている形で、利上げペースが鈍化している。次回の理事会は9月5日の予定。RBAは今回の声明文で「いくらかの追加的な金融引き締め」が必要になるかもしれないとの立場を維持している。
今回の理事会に関する事前予想は、金融市場では利上げ見送りが優勢だった一方、ロイター通信のエコノミスト調査では0.25%の利上げ予想が多数派だった。1日の豪ドル円相場は理事会の結果発表後に一時、1豪ドル=94.69円をつけた。結果発表直前の水準と比べて、約1円の円高豪ドル安が進んだ形となっている。
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