豪CPI、4月は横ばい予想 31日発表 豪ドル円相場への影響は?
オーストラリアの4月のCPIが31日午前に発表される。伸び率は3月と同じ6.3%と見込まれ、豪ドル円相場への影響が注目される。
オーストラリア統計局が31日に発表する4月の消費者物価指数(CPI)の伸び率は3月から横ばいになると見込まれている。発表時間は日本時間の午前10時30分。中央銀行のオーストラリア準備銀行(RBA)は2日の理事会での利上げで市場を驚かせたとあって、4月のCPIが予想から上振れれば、6月6日の理事会での再利上げが改めて意識される可能性がある。豪ドル円相場はこのところ徐々に下値を切り上げており、4月のCPIの結果が今後の相場の先行きに及ぼす影響が注目される。
オーストラリアの4月のCPI成長率は6.3%の予想
ロイター通信のエコノミスト調査によると、伸び率は3月と同じ前年同月比6.3%と見込まれている。伸び率は2022年12月に8.4%をつけてから徐々に下がっており、RBAは「物価上昇はピークを過ぎた」との見方を示している。
こうした中、RBAは4月の理事会で、これまで10回連続で行ってきた利上げを停止した。ところが5月2日の理事会では市場の予想を裏切る形で0.25%の利上げを決定。発表前は1豪ドル=91.2円程度だった豪ドル円相場は、発表後3時間ほどで約92.3円まで上昇した。
4月のCPIが予想を超える高さだった場合、RBAが6月6日の理事会で再び利上げを決めるとの観測が強まり、豪ドル高圧力が増す可能性がある。金融情報会社リフィニティブのデータによると、現状では、6月の0.25%利上げについて、投資家の動きから算出される確率は約18%で、利上げ見送りの82%を大きく下回っている。
豪ドル円は徐々に下値を切り上げ
リフィニティブによると、豪ドル円相場(チャート)は2月中旬ごろに92.98円まで上昇したが、3月上旬に米国でシリコンバレーバンクが経営破綻すると金融市場でリスク回避志向が強まり、3月24日には一時86.09円まで値下がりした。その後は、5月のRBAのサプライズ利上げや日銀の大規模金融緩和の長期化観測といった要因が相場を円安豪ドル高へ動かす反面、米国のファースト・リパブリック銀行の経営破綻や債務上限問題をめぐる混乱などのリスク要因が相場を逆方向に動かしてきた。こうした中で下値は徐々に切り上がり、足元の相場は91円台後半で、2月の高値まであと1円程度といった水準にある。
RBAは四半期ベースでの物価上昇率を重視しており、4月単月の数字が6月理事会の意思決定にどの程度の影響を及ぼすかは不透明な面もある。とはいえRBAが現状の物価上昇率の高さを問題視していることは確かで、4月のCPIの結果がRBAの判断材料のひとつとなることは間違いなさそうだ。
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