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英中銀の8月の利上げ幅は? 0.5%利上げも ポンド円上昇か

イングランド銀行が3日に発表する政策金利は0.5%になる可能性もある。物価上昇への警戒感が示されれば円安ポンド高も。

出所:ブルームバーグ

英国の中央銀行にあたるイングランド銀行(BOE)が3日に発表する政策金利は利上げ幅の大きさが注目される。金融市場では0.25%利上げの確率が高くなっているが、前回(6月)に続いて利上げ幅が0.5%になる可能性も見込まれている。英国の物価上昇率は4-6月期の実績がBOEの見通しよりも上振れており、BOEは利上げの手を緩めることができない状況。利上げ幅が市場予想よりも大きくなった場合や、政策金利と同時に発表される経済見通しで物価上昇率が上振れた場合には、ポンド円相場に上昇圧力がかかることもありそうだ。

BOEは英国の物価上昇率の高さを警戒

BOEは3日正午(日本時間3日午後8時)に金融政策委員会の結果を発表する。金融情報会社リフィニティブのデータによると、0.25%の利上げについて、投資家の動向から算出される確率は、日本時間1日午後8時すぎの段階で約62%。一方、0.5%利上げの確率も約38%あると見込まれている。BOEは2021年12月以降、2023年6月まで13回連続で利上げを決定。直近では3、5月の利上げ幅は0.25%だったが、6月は0.5%として利上げを加速させている。

英国が利上げを続ける背景には物価上昇の根強さがある。7月19日に発表された英国の6月の消費者物価指数(CPI)の伸び率は、総合指数で前年同月比7.9%。市場予想の8.2%を下回り、ピークだった2022年10月の11.1%からも大きく低下している。しかし米国の6月の物価上昇率が3.0%だったことを考えれば、BOEが利上げを停止できる状態にはまだ遠いのが現状だ。7月31日に発表されたユーロ圏の7月のCPI(速報値)も5.3%まで下がっており、英国の物価上昇の厳しさは際立っている。

英国の政策金利と消費者物価指数(CPI)の伸び率の推移

ポンド円が高値に向かう可能性も

こうした物価上昇の根強さはBOEの予想を超えているようだ。BOEは5月に発表した経済見通しで4-6月期の物価上昇率を前年同期比8.2%と見積もっていたが、実際の伸び率は8.4%。また、BOEは6月の声明文で物価上昇率について「エネルギー価格の動向を主な原因として、年内を通じてさらに大きく低下すると予想される」としていた。しかし7月に入ってからは原油価格が上昇基調にあるなど、英国の物価をめぐる情勢が悪化している可能性もある。

このため3日の発表では利上げ幅の大きさに加えて、経済見通しで物価情勢がどのように分析されるかも焦点となりそうだ。利上げ幅が予想以上に大きくなったり、BOEの物価上昇への警戒感の強さが確認されたりした場合は、円が売られてポンドが買われる展開も想定される。

リフィニティブによると、ポンド円相場(GBP/JPY)は6月の0.5%利上げ決定以降、円安ポンド高が進み、7月5日には2015年12月15日以来約7年7か月ぶりとなる1ポンド=184.00円をつけた。直近では7月28日の日本銀行によるイールド・カーブ・コントロールの修正をめぐる混乱の中で176円台まで円高ポンド安が進む場面もあったが、足元では182円台後半で取引されている。

ポンド円相場の推移と主な出来事

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