コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

岸田政権は緩和継続希望? デフレ脱却に意欲 円安は為替介入警戒で停止

岸田政権は金融緩和を希望しながら円安は為替介入をちらつかせて牽制している。ただ、アメリカの2月PCE物価指数で円安圧力が高まる可能性も。

岸田政権は緩和継続希望? デフレ脱却に意欲 円安は為替介入警戒で停止 出所:ブルームバーグ

ドル円相場をめぐる円安材料が増えている。岸田文雄首相は28日の記者会見で賃金上昇と経済成長がデフレ完全脱却に向けた道筋となるとの立場を強調。日本銀行による金融緩和維持への支持を示唆した。またタカ派と目される日銀審議委員からも利上げに慎重ととれる発言が出ており、日銀の利上げはスローペースになる可能性が高まっている。ただ、ドル円相場では1ドル=152円台を目前にして円安進行にブレーキがかかった。岸田政権は金融緩和を望みつつ、今後も急激な円安進行にはにらみを利かせる戦略のようで、FX市場での為替介入への警戒は強い。

岸田首相「デフレ完全脱却の千載一遇のチャンス」

岸田氏は28日夜、2024年度予算の成立を受けた記者会見で、「デフレから完全に脱却する千載一遇の歴史的チャンスを手にしている」と述べた。春闘で示された高い賃上げ率と、消費者物価指数(CPI)の前年同月比伸び率が2%を超え続けている状況を踏まえた発言だ。岸田政権として、6月からの1人4万円の所得税・住民税減税や、企業が人件費を価格に転嫁して利益を確保できるよう支援することなどで、日本をコストカット型経済から成長型経済に移行させる考えを強調している。

日本の消費者物価指数(CPI、総合、コア、コアコア)の伸び率の推移のグラフ

また岸田氏は記者会見で日銀の金融政策にも言及。日銀が19日にマイナス金利政策など大規模金融緩和策を終了させるとともに、緩和的な金融環境が継続するとしたことを「適切であると考えている」と評価した。また、日本経済がデフレからの完全脱却に向けた「正念場にある」として、日銀と密接に連携しながら対応するとも述べた。日本経済を転換させる観点から、岸田政権として低金利環境を維持することを支持した形だ。

また金融緩和の継続に軸足を置く発言は日銀内のタカ派からも出ている。田村直樹審議委員は27日の講演で、「ゆっくりと、しかし着実に金融政策の正常化を進める」と話し、緩和的な金融環境を続けることの重要性を示唆した。三井住友銀行出身の田村氏は過度な金融緩和の正常化に前向きな姿勢で知られ、講演後の記者会見では「(短期金利を)金利機能が発揮できるような水準まで戻す」ことを期待しているとも述べている。ただ、具体的な利上げ時期や利上げ幅については言及せず、今後の利上げペースを緩やかにすることについて日銀内で異論が少ないことをうかがわせた。

ドル円相場は為替介入警戒により151円台前半で膠着

一方、こうした日本の金利の先高観を弱める材料にも関わらず、ドル円相場(USD/JPY)での円安進行は天井にぶつかっている。27日は田村氏の発言を受けて、1ドル=151.97円まで円安ドル高に動いたものの、財務省と金融庁、日銀が3者会合を開いて為替相場について協議すると伝わると、ドル円相場は151円台前半まで円高に振れた。28日夜の岸田氏の記者会見後もドル円相場の水準に目立った変化はでていない。

ドル円相場の日足チャートと主な出来事(2024年3月29日作成)

2022年10月の為替介入後は3か月で20円以上の円高が進行

日本政府は2022年10月21日、ドル円相場が151.94円をつけた後、為替介入を実施。週明けの24日にも為替介入を行い、11月上旬にドル円相場が146円台をつける流れを作った。その後のドル円相場をめぐってでは、11月10日に発表されたアメリカの10月CPIが予想以上に弱い数字となったことがドル売りの材料となり、2023年1月には127円台まで円高が進んだ。

財務省の神田真人財務官は27日の3者会合後、今後の為替介入について「文字通りあらゆる手段を排除しない」と述べており、FX市場参加者の警戒感は強い。ただ、米商務省が日本時間29日午後9時30分に発表する2月の個人消費支出(PCE)物価指数で物価上昇率の高さが意識された場合には円安圧力がさらに強まる可能性もあり、ドル円相場に緊張感が走ることも想定される。


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券のFXトレード

  • 英国No.1 FXプロバイダー*
  • 約100種類の通貨ペアをご用意

* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。