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マイクロソフト、クラウド成長減速見通し 30日決算 収益性も焦点

マイクロソフトの2024年4-6月期決算はクラウド事業の成長が鈍化する見通し。予想通りになれば株価下落につながる可能性も。

マイクロソフト、クラウド成長減速見通し 30日決算 収益性も焦点 出所:ゲッティ

マイクロソフトが30日の取引時間終了後に発表する2024年4-6月期決算は、クラウド事業の収入の伸び率が減速する見通しだ。クラウド事業は人工知能(AI)サービスの提供基盤として成長が期待されているだけに、投資家の失望を買うおそれがある。一方、株式市場ではAIサービスの収益性に対する関心も高まっており、設備投資の見通しが上振れした場合も悪材料とみなされる可能性がある。マイクロソフトが30日に示すとみられる2025年6月通期に関する見通しで、投資計画についてどのような方向性が示されるかも注目されそうだ。

マイクロソフトの4-6月期は総収入が14.5%増の見通し

マイクロソフトはアメリカ東部時間30日午後5時30分(日本時間31日午前6時30分)から決算会見を開く。LSEGのデータによると、マイクロソフトの4-6月期決算に関する事前予想は、総収入が前年同期比14.5%増の643.48億ドル、1株当たり利益(EPS)は8.6%増の2.92ドルが見込まれている。マイクロソフトの過去19回の四半期決算のうち、総収入が事前予想を超えられなかったのは2回。1株当たり利益も同じタイミングで事前予想を下回っている。

マイクロソフトの業績(総収入、1株当たり利益=EPS)の推移のグラフ

LSEGのデータによると、マイクロソフトの株価(MSFT)の22日の終値は442.94ドルで、2023年末比での伸び率は17.79%。前回の決算発表前の9%程度の伸び率から上昇基調にある。ただ、アメリカの6月の消費者物価指数(CPI)が発表された7月11日以降は、利下げ見通しの強まりで起きた中小型株シフトが大手ハイテク株にとっての逆風になっており、マイクロソフトの株価も5.00%安となっている。

LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は32.89倍で、前回の決算発表直前の水準(31.49倍)と大差ない。クラウド事業でのライバルであるアマゾン・コム(AMZN)の34.63倍よりもわずかに割安といえる。一方、同じくクラウド事業で競合するアルファベット(GOOGL、22.09倍)よりは割高だ。アナリストが提示する目標株価の水準は494.62ドルで、現状よりも11%超高い。7月に入ってからは目標株価を600ドルまで引き上げる動きもある。57人のアナリストのうち21人は強い買い、34人は買いを推奨。2人は維持を勧めている。

クラウド事業は成長減速予想 株価にとって重荷か

マイクロソフトの30日の決算発表では注目度の高いクラウド事業の動向がカギだ。クラウド事業の収入は前年同期比19.5%増の286.65億ドルの見通しで、1-3月期の21.0%増から成長が鈍化すると見込まれている。伸び率が減速するのは1年前の4-6月期以来4四半期ぶりだ。マイクロソフトは前回の決算発表時、AIサービスの需要の強さに供給能力が追い付いていない状況を明かしており、投資家が抱く成長期待が裏切られる可能性がある。

マイクロソフトのクラウド事業の収入と前年同月比伸び率の推移のグラフ

また、マイクロソフトは今回の決算発表に際して2025年6月通期の見通しも示すとみられる。この中で、総収入の成長率や設備投資についてどのような言及があるかも注目されそうだ。マイクロソフトを含む大手ハイテク各社はAI事業の成長性を期待して投資を続けているが、株式市場では投資に見合った収益を得られるかどうかへの関心も高まってきた。成長率の低下だけでなく、設備投資の急増といった見通しが示された場合にも、株式市場で悪材料としてみなされることも想定される。

一方、マイクロソフトがクラウド事業の成長加速や、2025年6月通期について強い見通しを示した場合は株価にとっては追い風となる。先行き不透明感が強まる米国の株式市場全体にとっての朗報となる可能性もありそうだ。


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