日経平均、2週連続マイナス 7か月ぶり S&P500は4週連続
アメリカの長期金利が日米の株価を下押ししている。10月の反発に期待がかかるが、米政府閉鎖などの悪材料が尽きない。
日経平均株価の下落が止まらない。29日の終値は1週間前比544円安で、前週の1100円超安に続き、2週連続でのマイナスとなった。2月下旬以来7か月ぶり不振といえ、先行きを暗くする結果だ。投資家が懸念するアメリカの長期金利(10年物米国債利回り)の上昇は続いており、S&P500種株価指数は4週連続のマイナスを記録。9月の下落率は4.9%という厳しさだった。一方、歴史的には株価が値上がりしやすい10月の反発に期待がかかるが、米国の個人消費の下振れや、米政府の一部閉鎖が近づいているといった悪材料も出ており、相場のムードは上向いていない。
日経平均は2週間で1600円超下落
日経平均(N225)の29日の終値は3万1857.62円。日経平均は15日にはバブル後最高値まであと約200円に迫る3万3533.09円を付けていたが、その後の2週間で5%にあたる1675円もの値下がりに見舞われた。2週連続のマイナスは2月13-24日にかけて以来で、株式市場の変調の深まりを感じさせる。
投資家心理を悪化させている米国の長期金利の上昇は止まっていない。29日のニューヨーク債券市場での終値は4.571%。1週間前の4.440%から0.131ポイント上がった。米連邦準備制度理事会(FRB)が20日に2024年も政策金利を高止まりさせる方向性を示唆したことが影響している。一方、29日に発表された8月の個人消費支出(PCE)物価指数の伸び率は、食品とエネルギーを除いたコア指数で前年同月比3.9%に低下。物価上昇圧力の緩和を感じさせ、金利の先高観を弱める要因だが、事前予想通りだったこともあり、相場へのインパクトは小さかったようだ。
S&P500は9月に4.9%の大幅下落
こうした中で米国の株式市場の下落も続いている。S&P500(SPX)の29日の終値は4288.05で1週間前比で0.74%の下落。週次での下落は4週連続で、2022年12月以来の悪い記録だ。米国では9月は歴史的に株価が下落しやすい月として知られ、2000年から2022年までの9月の平均騰落率はマイナス1.5%と、12の月で最も悪いが、4.9%にも達した今月の下落率はやはり異変を感じさせる内容といえる。
一方、10月の反発に期待を込める向きもある。歴史的にみた10月の平均騰落率は1.6%で、9月の反動が出やすい環境だ。また、S&P500は2022年末比でみれば11.7%高で、2000年から2022年までの平均騰落率(5.9%)を大きく上回っている。
2023年4-6月期の個人消費は下方修正
しかし28日に発表された2023年4-6月期GDPの確定値では、個人消費の伸び率が前期比年率で0.8%とされ、改定値(1.7%)から大きく下方修正された。設備投資での上方修正などの結果、実質成長率は2.1%のままだったが、堅調だった経済活動がこれまでの想定ほどの強さではなかった可能性が出ている。
また、米議会内での対立で10月から始まる2024会計年度の予算が成立しておらず、政府機関の一部閉鎖が現実味を増していることも不安材料だ。米メディアによると、29日の段階でも10月以降の政府予算を裏付ける「つなぎ予算」成立の道筋はみえていないという。週明けの政府機関一部閉鎖が現実になれば、米国債格下げへの不安が強まる可能性もある。金融市場では金利高や株価下落につながるおそれもあり、米国経済をめぐる不安の種は尽きないのが現状だ。
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