ソフトバンクG、株高で黒字転換予想 8日決算 日経平均に影響も
SBGが8日に発表する2023年4-6月期決算は株高を背景に3四半期ぶりの黒字の予想。反転攻勢の一歩となるか注目だ。
ソフトバンクグループ(SBG)が8日に発表する2023年4-6月期決算は株高の効果をどこまで生かせているかが焦点だ。事前の市場予想で3四半期ぶりの最終黒字が見込まれる中、SBGの株価は5月下旬から上昇が加速。2か月強で4割超の値上がりをみせている。SBGは2022年までの株安の中で守りに徹してきたが、2024年3月期は反転攻勢を目指す。SBGの値動きは日経平均株価への影響も大きいだけに4-6月期の勢いが注目される。
ソフトバンクGの4-6月期決算は3四半期ぶり黒字の予想
金融情報会社リフィニティブのデータによると、SBGの4-6月期決算に関する市場予想では、最終損益が371億円の黒字になると見込まれている。SBGは1-3月期まで2四半期連続の最終赤字で、4-6月期が予想通りであれば3四半期ぶりの黒字転換となる。SBGは過去12回の四半期決算のうち5回で最終損益が市場予想を下回った。
SBGの株価(9984)は2021年は32.6%下落。2022年は3.8%上昇した。2023年は3月の米シリコンバレーバンクの経営破綻を機に世界的に株価が下落する中で、一時4800円台まで値下がりしたが、5月下旬以降は上昇基調がはっきりとしてきた。8月1日の終値(7250円)を5月24日の終値と比較すると、2か月強で43%値上がりした計算になる。また、1日の終値を2022年末と比較した場合の上昇率は56.3%で、同じ期間の日経平均株価(N225)の上昇率(28.3%)を大きく上回っている。
リフィニティブによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は31.94倍。また、株価純資産倍率(PBR)は1.15倍で、日経平均を構成する225銘柄のうち111番目だ。アナリストが提示する目標株価の平均は7251.76円。7月に入って目標株価を8000円前後に引き上げる動きもある。18人のアナリストのうち2人が強い買い、11人が買いを推奨している。残る5人は維持を勧めている。
守りから攻めに切り替えるタイミング
SBGの業績を2023年3月期の通期でみると、人工知能(AI)関連企業をはじめ成長性が期待される新興企業に投資するソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)事業で約4兆3000億円の税引き前赤字を計上。これを中国のインターネット通販最大手、アリババグループの株式を手放すことで穴埋めしたが、それでも9701億円の最終赤字が残った。SVFの赤字は、2022年3月の米連邦準制度理事会(FRB)による利上げ開始を背景とした株価下落で大きく拡大しており、世界的な株価変動の波をかぶった形だ。
この間、SBGは「守りに徹する」戦略をとった。SVFの投資先から資金を引き上げると同時に新たな投資を抑制し、2023年3月末段階で、投資に振り向けることが可能な資金が5.1兆円まで積みあがっている。こうした中、世界の株式市場は2023年に入って上昇を続けており、S&P500種株価指数の上半期の上昇率は16%、ハイテク株が多いナスダック総合指数は32%に達した。SVFの赤字は徐々に縮小している。
SBGの孫正義会長は6月21日の株主総会で「いよいよ反転攻勢の時期が近づいている」と述べた。8日発表の4-6月期決算はSBGの反転攻勢の第一歩にあたるとも期待され、投資家の予想を超える利益を上げることができれば、SBGの株価上昇が勢いづく可能性もある。SBGは株価の水準が高い「値がさ株」で、値動きが日経平均株価に与える影響の大きさでも知られており、投資家の注目が高まりそうだ。
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