米国株の見通しに警戒感 S&P500反発小休止 景気過熱なら下落も
24日のS&P500はテスラ株急騰にも関わらずほぼ横ばい。米国経済の過熱が金利の先高観につながるシナリオが意識されている。
アメリカの株式市場で景気過熱への緊張感が高まっている。S&P500の24日の終値は前日比0.02%高で、ほぼ横ばいの結果。大手ハイテク株の一角であるテスラの株価が急騰したものの、大手ハイテク株全体には波及せず、22日以降の反発の勢いが小休止した形になった。25日朝に発表される2024年1-3月期GDPの発表を控え、経済活動の強さが金利の先高観につながる筋書きも警戒されているようだ。また24日の取引時間終了後に1-3月期決算を発表したメタ・プラットフォームズの株価は時間外取引で急落しており、S&P500の今後の見通しを暗くしている。
テスラ株急騰でもS&P500は横ばいの値動き
S&P500の24日の終値は5071.63。前日終値から1.08ポイントの上昇だが、ほぼ横ばいといえる値動きだった。24日は電気自動車(EV)大手のテスラの株価(TSLA)が前日比12.06%高の急騰。前日の取引時間終了後の1-3月期決算発表で、新型車導入の前倒しに言及したことが好感された。ただし他の大手ハイテク株では、半導体大手のNVIDIA(エヌビディア、NVDA)が3.33%安、30日に決算を発表するアマゾン・コム(AMZN)が1.64%安となるなど、下落も目立った。テスラ株の上昇は株式相場のムードを変えるには至らなかったようだ。
株式市場の関心は米国経済の過熱感が高まるかどうかにも集まっている。23日にはS&Pグローバルが発表した4月の購買担当者景気指数(PMI)の速報値が3月から低下。物価上昇圧力が和らぐとの見通しから、長期金利(10年物米国債利回り)が4.5%台に下がった。これを受けてFX市場ではドル安が進むとともに、S&P500は1.20%高となった。
アメリカの長期金利上昇がS&P500の上昇抑える
しかし長期金利は24日のニューヨーク債券市場の終値では4.654%まで上昇しており、投資家の警戒は緩んでいないようだ。このため、25日朝(日本時間25日午後9時30分)に発表される1-3月GDPと個人消費支出(PCE)物価指数で経済活動の過熱が感じられれば、物価上昇圧力が高まったとして長期金利の上昇を招く可能性がある。LSEGがまとめた直近の事前予想では、1-3月期の実質成長率は前期比年率2.4%に減速すると予想されている。
また、25日の取引時間終了後には、アルファベット(GOOGL)とマイクロソフト(MSFT)が1-3月期決算を発表する。人工知能(AI)関連サービスの成長性が評価されてきた両社の決算や今後の見通しの中で、先行きに対する不安が感じられれば、時間外取引で株価が急落するおそれも拭えない。
実際、24日の取引時間終了後に発表されたメタ(META)の1-3月期決算は市場予想を超える結果だったが、4-6月期の総収入の見通しが予想を下回ったことなどが悪材料になり、時間外取引で株価は一時19%安となった。24日の時間外取引では、エヌビディアや、アマゾン、アルファベット、マイクロソフトも値を下げており、25日のS&P500を下押しすることになりそうだ。
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