今週の焦点 米金利のベースシナリオはレンジ相場 / ドル円とポンドドルの焦点
サマリー:『CPIに対する米金利の反応は過剰。米金利がレンジ相場となる場合、ドル円の焦点は?ポンドドルの注目ポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
今週の焦点 米金利のベースシナリオはレンジ相場
今週の外為市場は、引き続き米長期金利(以下米金利)をにらんだ展開となろう。
その米金利は、1.5~1.7%のレンジで上下に振れる展開が続いている。今週も多くの米指標データが発表される。指標データが総じて市場予想を上回る場合、景気の回復とそれに伴うインフレの進行が米債市場で意識される可能性があろう。よって、良好な指標データに対する米金利の反応により注視したい。
また、今週はFEDスピーカーの言動が米金利のトレンドを左右する可能性がある。景気動向とインフレに対する言及がある場合は、それらの言動に対する米金利の反応を逐一確認することが重要となろう。
現在は、インフレへの懸念が高まっている状況にある。だが筆者は、米CPIの結果に対する米金利の上昇は過剰反応だったと考えている。今回のCPIの上昇は、航空運賃といった輸送費の上昇と、半導体不足による中古車価格の上昇によるところが大きいからだ。
前者はコロナパンデミックとそれに伴う政策の反動によるところが大きい。後者の供給不足問題では、国家レベルで対策の動きが見られる。
半導体の供給不足解消については時間がかかるだろう。だが、前者は一過性の問題である。
また、食品、家賃そして教育費といった各項目については緩やかに価格が上昇してはいるが、急激な変動は見られない。
米債市場が1.6%台で推移している現状は、市場参加者が冷静さを取り戻していることを示唆している。1.7%ブレイクのリスクはくすぶるも、今週の米金利もレンジ相場での推移をベースシナリオとして想定している。
米長期金利のチャート
ドル円の焦点
米金利が1.5~1.7%のレンジで推移する場合、ドル円(USDJPY)はレンジの上限と下限を見極める状況が続こう。
今週の上値の焦点は、109.80レベルの攻防である。先週13日に109.78で反発が抑制されたことで、あらためてこの水準での上値の重さが確認できた。109.80レベルを突破しても、4月の上旬に上値を抑制した110.00レベルで反落する可能性もある。
米金利が1.7%を目指す局面では、これらレジスタンスのポイントで上値が抑制される状況が続くかどうか?この点に注目したい。
一方、下値の焦点は50日MAの維持で変わらず。目先は50日SMA(今日現在109.07レベル)の維持が焦点となろう。
だが、4月以降の経緯を振り返ると、より注目すべきは50日EMA(今日現在108.54レベル)の攻防となろう。このEMAは先月、レジスタンスのラインとして意識された。そして直近は、サポートのラインとして意識された経緯がある。
また、EMAの上には、短期サポートライン(今日現在108.62レベル)が推移している。これらサポートラインでドル円の下落が止まる場合、下限の候補として108円が浮上しよう。
なお、市場参加者の短期予測を反映するリスクリバーサル(1週間)は、レポートの執筆時点(8時時点)で低下基調にある。
ドル円のチャート
ポンドドルの焦点
今週は、英国の指標データが多く発表される。特に注目されるのは失業率(18日)とインフレ関連の指標(CPIおよびRPI/19日)である。
米金利がレンジを維持する中、これら指標データが総じて市場予想を上回る場合、ポンドドル(GBPUSD)は1.42を視野に上昇幅の拡大を予想する。1.4160のレベルをブレイクした後、この水準の維持に成功する展開となれば、1.42トライのシグナルと想定したい。もちろん、一気に1.42を視野に上昇する可能性もある。
一方、さえない英指標データが確認されるか米金利が反発する局面では、1.40台の維持が焦点となろう。
先週13日のローソク足(十字線)は、1.40レベルがレジスタンスからサポートへ転換する可能性を示唆している。反落の局面で再び同じような状況となれば、市場参加者はポンドドルのサポートポイントが1.3670レベルから1.40レベルへ上昇したことを意識しよう。
さえない英指標データ、米金利の上昇そして株安までが加わる場合、ポンドドルは1.40をブレイクする可能性がある。このケースでは短期サポートラインの維持が焦点となろう。今日現在、このラインは50日MA(1.3883レベル)と同じ水準で推移している。
ポンドドルのチャート
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