東京エレクトロン、株価上昇なるか 6日決算発表 中国市場見通しは?
東京エレクトロンは2月6日に10-12月期決算を発表。中国市場の先行きなどに明るい見通しを示せば、株価反発が加速する可能性がある。
半導体製造装置大手の東京エレクトロンが2月6日に発表する2024年10-12月期決算は総収入の伸びが減速するとみられている。半導体製造装置を前倒しで購入していた中国企業向けの販売に急ブレーキがかかるためだ。ただし2025年の半導体市場をめぐっては、半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)が設備投資の大幅な積み増しを計画しており、東京エレクトロンの業績の今後の見通しに追い風になる可能性もある。東京エレクトロンの株価は2024年11月下旬から上昇傾向が出ており、6日の発表内容次第では、勢いが加速する可能性も考えられそうだ。
東京エレクトロンの10-12月期決算は総収入の上昇が減速する見通し
東京エレクトロンの10-12月期決算に関するブルームバーグがまとめた事前予想によると、総収入は前年同期比30.2%増の6037億円になる見通し。営業利益は30.1%増の1723億円になるとみられている。総収入の伸び率は前期(7-9月期)の32.4%増から減速。営業利益の伸び率も前期の実績(54.1%増)から小さくなるとの予想だ
東京エレクトロンの株価は2024年は4.24%安の不振 足元では上昇傾向に
東京エレクトロンの株価(8035)は2024年に4.24%安で、2023年の94.87%高から大きく失速した。日経平均株価(N225)の19.22%高と比べても不振といえる結果だ。しかし11月21日に直近の安値(2万1780円)をつけた後は上昇傾向に転じている。2025年1月24日の終値は2万7135円で、安値から24.59%高となっている。
ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は約23倍。前回決算発表があった2024年11月12日の19倍程度から割高感が強まった。2020年以降の平均値(23倍程度)と同じ水準だといえる。アナリストが提示する目標株価の平均は3万1560円で、24日終値よりも16%ほど高い。1月に入ってからは目標株価3万6000円に引き上げる動きも出ている。26人のアナリストのうち21人は買いを推奨。5人は維持を勧めている。
東京エレクトロンは中国市場の成長が急減速の見通し AIブームへの期待は強まる
東京エレクトロンが10-12月期に総収入の伸びが減速するとみられている理由は中国市場の不振が予想されるためだ。中国企業は2024年に入り、アメリカの半導体輸出規制が強化されるとの警戒から、半導体製造装置を前倒しで輸入。足元では、この前倒し購入の反動で、購入ペースは減速しているとみられている。ブルームバーグのまとめによると、東京エレクトロンの10-12月期の中国市場での販売は2238億円と見込まれ、前年同期比3.1%増に留まる見通し。7-9月期の27.9%増や、4-6月期の80.0%増から急減速する形だ。
ただ、それでも東京エレクトロンの株価が上昇に転じている背景には、人工知能(AI)ブーム継続への期待が根強いことがある。1月7日の東京市場では、台湾電機大手の鴻海精密工業の決算発表が好材料となり、東京エレクトロンの株価は前日比11.25%高と急騰。16日にはTSMCが2025年の設備投資額を400億ドル前後とし、2024年の実績(約300億ドル)から大幅に引き上げるとの見通しを示し、半導体製造装置への需要の強さを感じさせた。また、アメリカのドナルド・トランプ大統領は20日の就任後、中国に対する極端な対決姿勢はとっておらず、ソフトバンクグループ(9984)などによる5000億ドルのAI開発拠点投資を発表するなどして、半導体市場の見通しを明るくしている。
中国市場の先行きに明るい見通しが示されれば株価上昇か
こうした中、東京エレクトロンが2月6日の決算発表で、中国市場の減速が底打ちする可能性や今後の総収入増加ペースについて明るい見通しを示せば、投資家から好材料として評価されることも考えられる。一方、東京エレクトロンの株価は1月29日に予定されているオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング(ASML)の決算発表や、不確実性が高いトランプ氏の言動でも揺れ動く可能性がありそうだ。
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