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アルファベット、株価維持なるか? 23日決算 広告収入減速見通し

アルファベットの2024年4-6月期決算は広告収入の伸びが減速する見通し。市場予想を下回れば、株価下落の恐れがある。

アルファベット、株価維持なるか? 23日決算 広告収入減速見通し 出所:ゲッティ

アルファベットが23日の取引時間終了後に発表する2024年4-6月期決算は広告収入の伸びが焦点となる。広告収入は2023年4-6月期以降、プラス成長を続けてきたが、4-6月期は伸び率が鈍化する見通し。減速の度合いが市場予想よりも大きくなれば、投資家の失望を買うおそれがありそうだ。アルファベットの株価は前回の決算発表時に初の配当実施を明らかにしたことで上昇が勢いづいたが、新たな好材料がなければ株価下落を招くおそれがある。

【関連記事】アルファベット株が下落 設備投資見通しを嫌気 広告収入は減速(2024年7月24日)

アルファベットの2024年4-6月期決算は成長鈍化の予想

アルファベットはアメリカ東部時間の23日午後4時30分(日本時間24日午前5時30分)に決算会見を開く。LSEGによると、アルファベットの4-6月期に関する事前予想は、総収入が前年同期比12.8%増の841.60億ドルとなり、1-3月期の15.4%増から成長が減速する見通し。また、1株当たり利益(EPS)は27.8%増の1.84ドルとなると予想されている。アルファベットは過去17回の四半期決算のうち、2022年の4回すべてで総収入が市場予想を下回った。1株当た利益では5回、予想を超えられなかった。

アルファベットの業績(総収入、1株当たり利益=EPS)の推移のグラフ

アルファベットの株価(GOOGL)は2023年に58.32%上昇。15日の終値は186.53ドルで、2023年末比で33.53%高となっている。4月下旬までの上昇率は12%程度だったが、4月25日に初の配当実施を発表すると株価上昇が一気に勢いづいた。

LSEGによると、アルファベットの直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は22.76倍で、前回(1-3月期)決算発表前の22倍程度と変わらない水準だ。人工知能(AI)サービスで競合するアマゾン・コムの36.47倍や、マイクロソフトの33.70倍と比べれば割安とみることができる。アナリストが提示する目標株価の平均は198.32ドルで、7月に入ってからは225ドルに引き上げるアナリストも出ている。55人中15人が強い買い、30人が買いを推奨。10人は維持を勧めている。

広告事業はアジア太平洋地域からの需要増が一巡見通し

アルファベットの総収入の成長減速が見込まれる背景には、総収入の4分の3を稼ぎ出す広告事業の減速予想がある。LSEGによると、広告収入の4-6月期の伸び率は前年同期比10.8%の見通しで、1-3月期の13.0%から落ち込みそうだ。アルファベットは4月の決算会見で、広告事業は2023年4-6月期から始まったアジア太平洋地域の小売事業者からの需要増加が成長の原動力となってきたが、今回の4-6月期ではこうした押し上げ効果が一巡し始めると説明していた。

アルファベットの地域別収入の推移のグラフ

こうした中で、広告事業の減速が予想を超える大きさになれば、株価にとっては下押し圧力になりそうだ。また成長性が期待されるAIサービスの提供基盤となっているクラウド事業も4-6月期の成長率は26.9%と予想され、1-3月期の28.4%からの減速が見込まれている。こちらもアルファベットの株価にとっては悪い材料といえそうだ。

アルファベットの広告事業とクラウド事業の収入の推移のグラフ

配当実施発表に続く好材料がなければ株価下落も

アルファベットの株価が前回の決算発表後に上昇したのは、初の配当実施発表という特殊要因の影響も大きかった。23日の決算発表で新たな好材料が出なければ、成長鈍化という悪材料だけが注目される可能性がある。アルファベットに先立って2月に配当実施を発表したSNS大手メタ・プラットフォームズ(META)の株価は、配当実施発表後に上昇したものの、4月の1-3月期決算発表は投資家の期待に応えられず、株価が急落した。アルファベットの発表内容次第では株価がメタと同じ轍を踏むことも想定される。


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