オーストラリア中銀、4連続利上げ見送り濃厚 豪ドル高は反転か?
RBAは3日の理事会で4回連続の利上げ見送りを決めるとみられている。豪ドル安要因といえるが、効果の大きさは不透明だ。
オーストラリアの中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行(RBA)は3日に理事会の結果を発表する。4会合連続で利上げが見送られる見通しで、オーストラリアの物価上昇率の低下傾向を反映した結果となりそうだ。豪ドル円相場ではこのところ豪ドル高への動きが目立っていたが、豪ドル安方向に動くきっかけになる可能性がある。ただし物価情勢をめぐっては原油高による上昇加速の懸念もくすぶっており、RBAが声明でどのような今後の見通しを示すかも相場の動きを左右しそうだ。
豪中銀の3日理事会での利上げ見送り確率は約91%
RBAは3日午後2時30分(日本時間3日午後0時30分)に理事会の結果を発表する。ロイター通信のエコノミスト調査によると、32人中30人が利上げ見送りを予想。残り2人は0.25%の利上げを予想している。一方、金融情報会社リフィニティブのデータでは、利上げ見送りについて投資家の動向から算出される確率は日本時間2日午前10時30分時点で約91%。0.25%利上げの約9%を大きく上回っている。予想通りになれば、政策金利は4会合連続で4.1%に据え置かれることになる。
利上げ見送り観測が強まっているのは、オーストラリアの物価上昇に落ち着きが感じられているためだ。9月27日に発表された8月の消費者物価指数(CPI)の伸び率は、果物、野菜、ガソリン、休暇旅行を差し引いた指数で前年同月比5.5%となり、2022年12月の7.2%をピークとした低下傾向が続いている。一方、総合指数の伸び率は5.2%と7月(4.9%)から拡大したが、事前予想通りだったこともあり、RBAは静観するものとみられている。
過去の利上げ見送りは豪ドル安のきっかけのひとつに
RBAが利上げ見送りを決めた場合は豪ドル円相場(AUD/JPY)で豪ドル安要因として働きそうだ。7、8、9月に利上げ見送りを決めた際は、いずれも豪ドルが円に対して売られる傾向が出るきっかけのひとつになっている。ただし豪ドル円相場ではこのところ、中国経済が上向くとの期待や日本銀行が大規模金融緩和を維持したことなどを背景に豪ドル高が進んできた。このため利上げ見送りが決まった場合でも、豪ドル安への値動きは限定的になる可能性もある。
一方、RBAが利上げに踏み切るサプライズとなれば、豪ドル高の動きが加速すると想定される。また、RBAが声明で原油価格の値上がりなどがオーストラリアの物価にもたらす上昇圧力を強く警戒した場合にも、利上げ再開や政策金利高止まりの長期化を意識させる豪ドル高材料となりそうだ。
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