豪ドルの上昇一服 中国減速不安で オーストラリア利上げ見通しは消えず
豪ドル円相場は33年ぶりの高値だった109円台から105円台に戻った。今後は日米の金融政策の見通しへの思惑で値動きが不安定になる可能性も。
歴史的な水準に達していた豪ドルの上昇に一服感が出ている。22日の東京市場の豪ドル円相場は1豪ドル=105円台で推移。33年ぶりの高値だった109円台からは4円程度の豪ドル安になった。また、豪ドルの対ドルレートは他の通貨よりも弱含んでおり、オーストラリア経済と関係が深い、中国の経済成長の減速が材料視されているようだ。ただ、オーストラリアの利上げ見通しが完全に消えたわけではない。今後は日米の重要な経済イベントが相次ぐこともあり、豪ドル円相場の値動きが不安定になることも考えられそうだ。
豪ドル円相場は105円台で推移 109円台から後退
LSEGによると、東京市場の豪ドル円相場(AUD/JPY)は18日には1ドル=104.48円をつける場面もあった。10日にはニューヨーク市場の終値で109.09円という、1990年10月5日(111.17円)以来、33年9か月ぶりの高値をつけていたが、大きく豪ドル安が進んだ形だ。
足元の豪ドル安の背景にあるのはドル円相場(USD/JPY)での円高だ。11、12日には日本政府の為替介入があったとみられ、1ドル=161円台から157円台まで円高が進行。さらに17日にはアメリカ大統領選に向けて勢いづいているドナルド・トランプ前大統領がインタビューで円安を問題視したことが材料視され、翌18日には155円台まで円高が進む場面もあった。
豪ドル安の背景には中国経済の減速も
さらに15日以降は、豪ドルの対ドルレート(AUD/USD)が豪ドル安方向に振れている。15日に発表された中国の2024年4-6月期GDPの実質成長率が前年同期比で4.7% となり、ロイターがまとめた事前予想の5.1%を下回ったことがきっかけだ。オーストラリア経済は中国との結びつきが強く、中国経済の減速がオーストラリア経済を下押しするとの不安が強まったようだ。豪ドルは15日以降、ドルに対して1.4%ほど安くなっており、ポンドやユーロよりも下落率が大きくなっている。
ただ、オーストラリア経済の強さを示すデータもある。18日に発表されたオーストラリアの6月の雇用統計は、就業者数が前月比5万0200人増となり、市場予想の2万人増を超えた。労働市場の過熱は物価上昇見通しを強め、オーストラリアの中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行(RBA)の利上げの必要性を高める材料だ。LSEGによると、RBAが8月5、6日の理事会で利上げを決めることについて投資家の動向から算出される確率は、日本時間22日午前11時現在で22%程度。2週間前の26%程度からさらに後退したが、引き続き利上げ見通しは消えていないともいえそうだ。
日銀やFRBの金融政策で豪ドル円相場の不安定化も
今後のFX市場では、25日の米国の4-6月期GDPの発表に合わせ、四半期ベースでの個人消費支出(PCE)物価指数も発表される。31日には米連邦準備制度理事会(FRB)と日本銀行の金融政策の発表もあり、豪ドル円相場が当面、見通しがつきにくい神経質な値動きになる可能性もありそうだ。
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