日経平均、バブル後最高値へ期待 S&P500は高値 ハイテク株不安
日経平均は依然としてバブル後最高値が目前。アメリカのS&P500の年初来高値更新は好材料だが、ハイテク大手に不安も。
日経平均株価が7月初めにつけたバブル後最高値更新への期待をつないでいる。1日の終値は1週間前よりも安くなり、5週ぶりの週次での値下がり。しかし高値まではあと300円強という水準で、週明けの記録更新の可能性を感じさせている。一方、アメリカの株式市場では1日にS&P500種株価指数が年初来高値を更新した。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長の講演が金利の先高観を弱めたためで、相場のムードは明るい。ただ、1日は2023年の株式相場を引っ張ってきたハイテク大手の多くが株価を下げており、今後の勢いには不安もみえかくれする。
日経平均は週次値下がりもバブル後最高値は射程圏内
日経平均(N225)の1日の終値は3万3431.51円で、1週間前比で194.02円安。週次でのマイナスは10月下旬以来で、7月3日につけたバブル後最高値(3万3753.33円)の更新はおあずけとなった。日経平均は前週末までの4週間で2600円超の上昇をみせていただけに小休止が入った形だ。バブル後最高値は依然として射程圏内といえ、4日以降の記録更新がありえる。
S&P500は年初来高値を更新
日経平均への期待は1日のS&P500(SPX)の値動きでも膨らんでいる。S&P500の1日の終値は1週間前比0.77%高の4594.63で、5週連続の上昇を達成。7月31日につけた年初来高値(4588.96)を更新し、FRBの利上げ開始から間もない2022年3月30日(4602.45)以来の高水準となった。2022年1月3日につけた終値ベースでの史上最高値(4796.56)までは200ポイント強に迫っている。
FRB議長の講演がアメリカの金利の先高観を弱める
1日の米国株式市場の安心材料となったのはFRBのパウエル議長の講演だ。パウエル氏は2022年3月から2023年7月までの利上げの結果、「政策金利は十分に引き締め的な領域にある」と指摘。一方、金融引き締めが十分であると自信をもって結論づけたり、利下げ開始の時期について推測したりすることは時期尚早だとしたものの、金融市場ではFRBが来年春には利下げに向かうとの観測が強まった。
LSEGによると、ニューヨーク債券市場の長期金利(10年物米国債利回り)の1日の終値は4.224%で、9月1日(4.173%)以来の3か月ぶり水準まで低下。また、CMEグループのデータでは、2024年3月の連邦公開市場委員会(FOMC)後に政策金利が現状よりも低くなっていることについて、投資家の動向から算出される確率は日本時間2日午前の段階で55.1%まで上がっている。こうした金利の先高観の弱まりが株式の投資先としての魅力を相対的に高め、1日の株価上昇につながったようだ。
「マグニフィセント・セブン」の株価は振るわず
ただ、1日の株式市場では「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク企業7社の多くが株価値下がりに見舞われた。人工知能(AI)ブームの立役者の一角であるマイクロソフト(MSFT)の株価は前日比1.16%安。AIを生かした広告事業の収益力引き上げが株価上昇につながっていたSNS大手のメタ・プラットフォームズ(META)の株価は0.71%安だった。7社のうち値上がりしたのはアップル(AAPL)とアマゾン・コム(AMZN)の2社にとどまっている。
S&P500は2023年6月末までの上半期で16%上昇。一方、7月以降の伸び率は3.2%で勢いは鈍っている。米国経済をめぐっては今後、FRBの利上げの効果が時間差で生じて経済を大きく下押しするかどうかが焦点になるとみられ、史上最高値更新に向けては曲折も予想されそうだ。
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