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日経平均上昇維持 半導体株はエヌビディア待ちか 円高見通しは重荷

日経平均は小幅ながらも週次での上昇を維持した。今後、28日のエヌビディア決算で半導体株が上向く可能性があるが、円高見通しは重荷だ。

日経平均上昇維持 半導体株はエヌビディア待ちか 円高見通しは重荷 出所:Adobe Images

日経平均株価が週次での上昇をなんとか維持した。23日の終値は1週間前比301.60円高。前週の3000円超高に続き、2週連続での値上がりだ。ただし半導体株の値動きは冴えず、アメリカで28日に行われる半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の決算発表後の上昇に期待をつなぐ状況。とはいえ、ドル円相場では東京市場の23日の取引時間終了後、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しが強まっており、円高ムードが今後の日経平均の重荷となる不安はぬぐえない。

日経平均株価は週次で0.79%上昇 半導体株は下落も

日経平均(N225)の23日の終値は1週間前比0.79%高にあたる3万8364.27円。ドル円相場(USD/JPY)で進んだ円安が追い風になった前週の3037円高に続く値上がりとなった。21日にはドル円相場が144.44円まで円高に振れる逆風もあったが、なんとか週次での値上がりを確保した形だ。日経平均はこのところ週次で数千円の大きな値動きが目立っていたが、今回の週次301円高は7月8-12日週(278.31円高)以来6週ぶりの小さな値動きとなった。

日経平均株価と週次の増減幅の推移のグラフ

個別銘柄の動きをみると、日経平均の上昇に最も寄与したのは衣料品大手のファーストリテイリング(9983)。1週間前比4.43%高で日経平均を190円押し上げた。一方、半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)は5営業日中4日で値下がりし、週次6.39%安。半導体検査装置のアドバンテスト(6857)も4.19%安だった。このほか半導体製造装置のディスコ(6146)は週次の下落率が225銘柄中で最も悪い10.46%安だった。

日経平均株価を動かした構成銘柄の寄与度ランキング

半導体株はエヌビディア決算での業績見通しで上昇か

ただ、来週の株式市場では半導体株が勢いづく可能性がある。人工知能(AI)開発などに不可欠な最先端半導体で圧倒的なシェアを持つエヌビディアが28日に2024年5-7月期決算を発表するからだ。この際、エヌビディアが8-10月期の業績について市場予想を超える見通しを示せば、エヌビディア株が上昇し、投資家心理を上向かせることが想定される。

実際、5月22日にエヌビディアが行った2-4月期決算発表では、5-7月期の総収入が前年同期の2.1倍になるとの見通しが示され、時間外取引でエヌビディア株が上昇。これを受けた23日の東京市場では、アドバンテストが前日比5.36%高、レーザーテック(6920)が6.31%高、ソフトバンクグループ(9984)が4.28%高となるなどして日経平均を押し上げた。このほかディスコは7.96%高、ルネサスエレクトロニクス(6723)は5.48%高だった。

東京エレクトロンなど日本の半導体株の値動きのグラフ

円高は東京時間終了後に144円台前半に 日経平均の重荷

ただしドル円相場は23日のニューヨーク市場の終値が1ドル=144.37円となり、前日比で1.89円の円高ドル安が進んだ。取引時間中には144.04円まで円高に振れる場面もあった。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が23日のワイオミング州ジャクソン・ホールでの講演で「金融政策を調整する時が来た」などと述べ、9月17、18日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを事実上予告したためだ。ドル円相場で今後も円高見通しが強まっていけば、日経平均にとっては重荷となる。

日経平均株価とドル円相場の推移のグラフ

日経平均は7月11日の最高値(4万2224.02円)から8月5日の直近の安値(3万1458.42円)まで1万円超下落。23日の終値はこの下落幅の64%を取り戻した水準だ。最高値まで1%未満となっているアメリカのS&P500種株価指数(SPX)との勢いの差は明らかで、円高への不安が今後の見通しを暗くしていくことも考えられそうだ。


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