日経平均、週次1300円高 米金利低下で S&P500に中東不安
日経平均は14日までの週で4週ぶりに上昇。アメリカの金利低下が安心材料となったが、中東情勢をめぐる先行き不安も強い。
日経平均株価が週次で大幅高となった。13日の終値は1週間前比1300円超の値上がりで、上昇幅としては6月中旬以来の大きさ。それまでの3週間での2500円超安の半分を取り戻す結果となった。アメリカの長期金利(10年物米国債利回り)上昇に一服感が出ており、株価の下押し圧力が和らいだようだ。ただしS&P500種株価指数は13日、長期金利低下にも関わらず下落した。背景には中東情勢をめぐる不安拡大があるとみられ、16日以降の日本の株価にも影響する可能性がある。
日経平均は1週間で1321円値上がり
日経平均株価(N225)の13日の終値は3万2315.99円。1週間前比で1321.32円高となった。週次の上昇幅としては、6月12-16日週(1440.91円高)以来の大幅な伸び。9月18日から10月6日までの3週間では2538.42円の下落となっていたが、この下落幅の約半分を取り返した形だ。
背景にはこれまで株価の重荷となってきた米国の長期金利上昇の一服感がある。長期金利は11日のニューヨーク市場の終値で4.579%まで低下。3日に16年2か月ぶりの高水準にあたる4.802%をつけて高まった株価下押し圧力を和らげた。S&P500(SPX)は11日まで4営業日続伸。13日までの週次でみれば、0.45%の値上がりとなった。
金利低下の要因のひとつは、米連邦準備制度理事会(FRB)幹部から相次いだ、政策金利引き上げの必要性が薄れているとする発言だ。また、イスラム組織ハマスが7日にイスラエルを攻撃し、地政学リスクが高まっていることも、安全資産としての米国債が買われて価格が上がり、結果として利回りが低下するという流れを作っている側面もある。
中東情勢不安定化でリスク回避姿勢の高まりも
ただし長期金利低下を材料視した株価上昇がどこまで続くかは見通せない。13日のニューヨーク市場では長期金利が前日から低下したにも関わらず、S&P500は0.5%下落した。ハマスとイスラエルによる戦闘をめぐっては、イスラエル軍がハマスが実効支配するパレスチナのガザ地区に地上軍を送り込む準備を進めており、犠牲者の大幅な拡大が懸念される状況になっている。こうした中東情勢の悪化が投資家のリスク回避姿勢を強めれば、株式投資の価格変動リスクの大きさが嫌気される可能性もある。
こうした中、ウォール街の「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数(VIX)は13日に19.32まで上昇。3日につけた19.78に迫る高水準になっている。VIX指数はS&P500のオプション取引の動向から算出される数値で、数字が大きいほど今後の値動きが荒くなることへの警戒感が強いことを意味する。また、安全資産の代表格である金の先物価格も13日に急騰。金融情報会社リフィニティブによると、前日比3.1%高の1オンス=1941.50ドルとなった。
13日は銀行大手のJPモルガン・チェース(JPM)が好決算を発表するといったプラス材料もあったが、2023年の株式相場を引っ張ってきた半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)など大手ハイテク株が軒並み値を下げるといった動きも出ている。18日に決算を発表する電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA)など、時価総額が大きい企業の株価の動向やトップの発言でも相場が動く局面がありそうだ。
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