オーストラリア中銀、利上げ排除せず 豪ドル高 2月は政策金利維持
RBAは物価上昇率は低下してきたものの依然として高水準と指摘。ブロック総裁は物価上昇減速のペースダウンも警戒している。
オーストラリアの中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行(RBA)は6日までの理事会で政策金利の維持を決めた。物価上昇率の順調な低下を評価し、2025年には目標とする2-3%に到達するとしている。ただし声明文では将来の利上げを排除しないとの文言を追加し、ミシェル・ブロック総裁は記者会見で、今後、物価上昇の沈静化が進まなくなる可能性があることにも言及した。金融市場ではRBAの利下げへの期待が後退し、外国為替市場では豪ドル高が進んだ。
オーストラリアの物価上昇率は「高い水準のまま」
RBAの政策金利維持は12月に続き、2会合連続。政策金利は4.35%に据え置かれた。声明文は、オーストラリアの10-12月期の消費者物価指数(CPI)の伸び率が前年同期比4.1%となり、ピーク時の7.8%から下がってきたことを評価。物価上昇率が目標とする2-3%の枠内に入るのは「2025年」、2-3%の範囲の中間点に至るのは「2026年」との見通しを示した。
ただ、声明文は「物価上昇率は10-12月期の改善にも関わらず、4.1%という高い水準のままだ」とも指摘した。今後の方向性については、政策金利の道筋は経済指標とリスク分析に応じて決まるとしたうえで、「さらなる政策金利の引き上げも排除することはできない」と言及している。またブロック氏は理事会後の記者会見で、金融政策は引き締め的で物価上昇率は低下してきているとしつつ、今後については「事態はどちらの方向にも動きうる」として物価上昇の再加速にも警戒感を示した。
豪中銀の利下げ期待が後退し、豪ドル高に
RBAが物価上昇への警戒感を緩めなかったことで、金融市場ではRBAの利下げに対する期待がやや後退した。LSEGのデータによると、金融市場では6月までの理事会では利下げはないとの見方が大勢。また、8月の理事会後に政策金利が現状よりも低くなっていることについて、投資家の動向から算出される確率は約62%となっており、5日段階の約70%から低くなっている。
こうした中、理事会後の外国為替市場では豪ドル高が進んだ。6日の豪ドル円相場(AUD/JPY)は一時、1豪ドル=96.77円をつけ、5日のニューヨーク市場の終値から0.39円の円安豪ドル高となっている。また、豪ドルはドルに対しても買われており、オーストラリアの利下げが遠のいたと受け止められているようだ。
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