豪ドル安進行 2週間ぶり96円 豪中銀利上げ見送り 2会合ぶり
オーストラリア中銀の2会合ぶり利上げ見送りで豪ドル安が進行。今後はアメリカの経済指標に注目が集まりそうだ。
豪ドル円相場で豪ドル安が進んだ。5日の東京市場での取引は2週間ぶりとなる1豪ドル=96円台で推移。オーストラリアの中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行(RBA)が5日の理事会で2会合ぶりの利上げ見送りを決め、豪ドルが売られる取引が強まった。RBAの次回の理事会は2か月後で、当面は政策金利引き上げがないことも豪ドルを売られやすくしているようだ。ただ、豪ドル円相場はこのところ、2024年春にも米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが始まるとの見方を背景にした豪ドル高が目立ち、今後も相場の流れが反転する可能性は残っている。
LSEGのデータによると、豪ドル円相場(AUD/JPY)は日本時間の5日午後5時までに一時、1豪ドル=96.43円をつけた。RBAが理事会後の声明文を発表する直前は97.20円程度だったことから、約0.8円の円高豪ドル安が進んだ形だ。96円台は11月21日につけた96.78円以来となる。
今回のRBAの利上げ見送りは事前予想通り。RBAは声明文で、10月の消費者物価指数(CPI)の上昇率が低下したことなどを踏まえ、「物価上昇は引き続き落ち着いてきている」との見方を表明。11月の利上げで4.35%に達した政策金利を据え置くことで、「金利の高さが需要や物価上昇、労働市場に与える影響を調べる時間をとることができる」とした。また、今後の金融政策の方向性については、「さらなる金融引き締めが求められるかどうかは経済指標とリスク判断の変化次第だ」という11月の声明と同じ表現を踏襲。利上げを打ち止めにする可能性をにじませている。
RBAの次回の理事会は2024年2月5、6日で、今後2か月は政策金利に変更が加わることはない。RBAのこれまでの利上げの結果として豪ドル円相場は11月15日には8年11か月ぶりの豪ドル高水準(98.57円)をつけていただけに、当面は利上げがないことが豪ドルを押し下げる要因となっている。
豪ドル円相場がアメリカの経済指標で動くケースも
ただし豪ドル円相場はこのところ、アメリカの経済指標発表で大きく値が動く場面が続いている。10月12日に発表された米国の9月CPIで物価上昇の根強さが感じられた際は、FRBが政策金利を高止まりさせるとの見方で、豪ドルがドルに対して大きく売られた。この結果として、豪ドル円相場も豪ドル安方向に1.08円進んだ。逆に11月14日に発表された米国の10月のCPIで物価上昇再減速が確認されると、今度は豪ドルがドルに対して大きく買われ、豪ドル円相場は豪ドル高方向に1.11円進んだ。
このためRBAの金融政策をめぐる思惑に大きな変化がでなくても、豪ドル円相場が揺れ動く可能性がある。米国では労働市場の過熱感緩和や物価上昇減速を理由にFRBが2024年3月にも利下げに踏み切るとの観測が強まっており、8日に発表される11月雇用統計や、12日発表の11月CPIがこうした見立てを裏付ければ、豪ドルが買われて円安豪ドル高が進む展開も想定されそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。