米国株が休日前に加速 S&P500が3連騰 雇用統計は堅調見通し
アメリカの株式市場ではテスラが7連騰で35%超上昇。S&P500を後押ししているが、大統領選をめぐる思惑が下押し圧力になる可能性も増している。
アメリカの株式市場が独立記念日の休日を前に勢いづいた。S&P500種株価指数の3日の終値は3日連続での上昇。電気自動車(EV)大手のテスラは7連騰で35%高という大躍進で、本格的な決算シーズンを前にハイテク株や半導体株が勢いづいている。5日に発表される6月の雇用統計は堅調な結果が予想されており、投資家の安心が感じられる値動きだ。ただしS&P500は2023年も独立記念日までは3連騰と勢いづいたが、連休明けは3日続落した。また、金融市場では11月の大統領選挙と連邦議会選挙の結果をめぐる思惑も注目されており、今後の選挙戦の展開が投資家心理を冷やす可能性もありそうだ。
アメリカのS&P500は休日前に3連騰 長期金利は低下
米国の3日の株式市場は4日の独立記念日の休日を前に午後1時までの取引だった。S&P500(SPX)の終値は前日比0.51%高の5537.02。2日連続で最高値を塗り替えた。1日に4.4%台まで上昇した長期金利(10年物米国債利回り)は2日連続で低下し、3日ぶりに4.3%台に戻っている。
テスラやエヌビディアなどの半導体株が大きく上昇
相場を牽引したのは大手ハイテク株の一角のテスラ(TSLA)だ。3日の終値は前日比6.54%高で、6月25日から7営業日連続での値上がり。この間の上昇率は34.95%となっている。テスラは1月24日の2023年10-12月期決算会見で、2024年の成長が2023年の実績よりも「著しく低くなる」との見通しを示して株価が低迷してきたが、復活を感じさせた。
6月雇用統計は労働市場の過熱感が和らぐ見通し
S&P500の値上がりは、米労働省が5日午前8時30分(日本時間5日午後9時30分)に発表する6月雇用統計への期待にも支えられていそうだ。ロイターがまとめた事前予想では、非農業部門の就業者数は前月比19万人増となり、5月の27.2万人増から、労働市場の過熱感が和らぐ見通し。また、平均時給の伸び率は前年同月比3.9%となって5月(4.1%)から低下すると見込まれ、物価上昇圧力は強まっていないとの見立てだ。さらに失業率は5月と同じ4.0%になるとみられている。
トランプ大統領復活なら減税や高関税が金利高招く?
ただし下半期の出だしに広がる明るいムードが今後も続くとは限らない。1年前の株式市場では、やはりS&P500が独立記念日前に3連騰。しかし休日明けの7月5日から7日にかけては3日続落となった。当時は米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げするとの見通しが出ていたことが背景にある。
このところの米国の金融市場では、11月5日の大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ前大統領が復活を果たし、さらに上下両院でも共和党が多数派になれば、長期金利が上がりやすくなるとの見方も出ている。トランプ氏が前回の任期中の2017年に実現した減税策が延長される可能性が高まるほか、中国製品に対する関税引き上げなどの政策が物価上昇圧力として働く可能性があるからだ。今後、ジョー・バイデン大統領の高齢化問題への受け止めが深刻化していけば、長期金利上昇が再燃してS&P500を下押しするとの見通しも成り立ちそうだ。
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