ドル円相場を動かすか? 5月の米中古住宅販売22日発表 予想は微減
米国の中古住宅市場が落ち着けばFRBの思惑通りといえる。しかし結果から米国経済の強さが感じられれば、再利上げの確度が高まる。
米国で22日に発表される5月の中古住宅販売関連の統計は、住宅市場の落ち着きを示すと予想されている。販売件数の市場予想は年換算425万件で、3月から微減となる見通し。個人の住宅購入意欲が落ち込んでいると判断できれば、14日に利上げを見送った米連邦準備制度理事会(FRB)の想定通りの展開といえる。一方、発表される数値から米国経済の強さが感じられる場合には、FRBが利上げ再開に向かう筋書きが意識されて、ドル円相場で円安ドル高が進む可能性がある。
5月の米中古住宅販売は前月比微減の予想
5月の中古住宅販売関連の統計は、全米リアルター協会(NAR)が22日午前10時(日本時午後11時)に発表する。ロイター通信のエコノミスト調査によると、市場予想の販売件数は4月の428万件をわずかに下回る水準。また、平均販売価格は4月まで3か月連続で前年同月比マイナスとなっており、5月も同じ傾向が続くかどうかが注目される。
中古住宅市場の落ち着きが見込まれる背景には、住宅ローン金利の高止まりがある。30年固定の住宅ローン金利は2月以降、6.5%程度の水準で推移しており、住宅需要を抑えているもようだ。2023年2月に販売件数が増加した際は、2022年秋以降の住宅ローン金利の低下が要因だったとみられただけに、このところの住宅ローン金利の水準は経済活動を冷やそうとしているFRBにとっては安心材料だろう。
ただ、5月の中古住宅販売が想定以上に強い結果となれば、6月14日に1年半ぶりの利上げを見送りを決めたFRBにとっては悪いシナリオとなる。住宅販売関連指標は、住宅を買った後の家具や家電などの購入の動向に波及する景気の先行指標。住宅販売が好調であれば、関連消費も増えるとみられ、物価にとっては上昇要因だ。この場合、FRBが一部の銀行の健全性に悪影響が出るリスクも見据えながらも、利上げに向う確度が高まる。
米国の5月の小売売上高は予想以上の強さ
米国の個人消費をめぐっては、15日に発表された5月の小売売上高が前月比0.3%増となり、市場予想の0.1%減を上回った。価格が高い自動車・自動車部品を除いた売上高は0.1%増で、こちらは市場予想通り。市場では米国経済の底堅さを示す結果と受け止められた。一方、同時刻に発表された米国の失業保険給付関連のデータは、雇用情勢が市場予想よりも弱いといえる内容で、債券市場では米国債の利回りが低下し、ドル円相場(チャート)では円高ドル安が進んだ。
ドル円相場ではFRBが利上げを見送りつつも年内2度の追加利上げを示唆したことや、日本銀行が16日に大規模金融緩和の維持を決めたことで、円安ドル高圧力がかかり続けている。5月の中古住宅市場の動向がFRBの追加利上げを意識させる内容になれば、ドル高を後押しする材料になる可能性もありそうだ。
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