アメリカのGDPは成長加速予想 長期金利は再上昇か ドル高進行も
アメリカの7-9月期の実質成長率は4.3%の予想。FRBの利上げを意識させれば、長期金利再上昇やドル高進行も。
アメリカの商務省が26日に発表する2023年7-9月期GDP(速報値)は米国経済の強さが確認される見通しだ。ロイター通信のエコノミスト調査では、実質成長率は前期比年率換算で4.3%と見込まれ、4-6月期の2.1%から大きく加速すると予想されている。米連邦準備制度理事会(FRB)の見通しから上振れた数字だと判断されれば、政策金利の高止まりや追加利上げの観測を強める可能性がある。一方、米国の長期金利(10年物米国債利回り)の上昇には頭打ちの兆しも出ているが、米国経済の過熱感が長期金利の再上昇やドル高進行につながる展開も想定されそうだ。
アメリカの7-9月期の実質成長率は4.3%の予想
米商務省は26日午前8時30分(日本時間26日午後9時30分)にGDP速報値を発表する。予想通りに実質成長率が4.3%となれば、2021年10-12月期(7.0%)以来の高水準。米国の実質成長率は2022年7-9月期以降は2%台で推移してきたことを踏まえれば、経済の再加速が示されることになる。米国経済をめぐっては、12日発表の9月の消費者物価指数(CPI)で物価上昇の根強さがみられたほか、17日発表の9月の小売売上高が予想を上回る結果になるなど、米国経済の底堅さを示す経済指標が目立っていた。
実質成長率の加速はFRBにとっては悩ましい要素だ。成長率の高さは経済の強さを示す良好なデータだが、物価上昇圧力の強さともみなせるからだ。ジェローム・パウエル議長は19日の講演で、過去の経済成長と物価の関係を踏まえれば、「物価上昇率2%の目標を持続的に達成するには、一定期間はトレンドを下回る成長率になることが必要になる」と述べている。FRBは米国の長期的な実質成長率は1.8%程度だと見積もっており、4.3%は高すぎる成長率だといえる。
FRBのパウエル議長は利上げも辞さない姿勢
こうした中、FRBは政策金利の引き上げも辞さない構えだ。FRBは9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を5.25-5.50%に据え置きつつ、経済見通しでは2024年も政策金利を5%台で高止まりさせる方向性を示唆。パウエル氏はやはり10月19日の講演で、米国の経済成長の強さや、労働市場の強さが緩和されていないことを示すデータが出た場合は、「金融政策のさらなる引き締めが正当化される」と強調している。
一方、10月に入ってからは、FRB幹部の口から、長期金利上昇の結果として、FRBが追加利上げを行う必要性が薄れているとする趣旨の発言が相次ぎ、金利の先高観が弱まる場面もあった。23日のニューヨーク債券市場では長期金利が5%に到達した後、利回りの高さを材料視した米国債買いが強くなり、長期金利は終値では4.838%まで下がった。長期金利が5%で頭打ちになることを感じさせる値動きだ。
ただ、7-9月期のGDPで米国経済の過熱感が出れば、FRBを追加利上げへ後押しする結果ともいえる。この場合は、長期金利の再上昇や、24日は1ドル=149円台半ばで推移しているドル円相場(USD/JPY)がドル高方向に向かうことも予想される。
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