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株価と需給の関係について

株価は、市場の需給関係で上下に動きます。ある株式の需要が供給を上回る場合、株価は上昇します。逆に株式の供給が需要を上回る場合、株価は下落します。ここでは株式の需要と供給に影響を与える要因とは何か?について解説します。

Source: Bloomberg

需給の関係で決まる株価

株式の投資では、経済の健全性や企業収益などが重視されます。これらは、株式の需要と供給の関係を変化させる要因のひとつです。そして需要と供給の関係こそが、株価を変動させる要因となります。

例えば、ある株式について割高もしくは割安と予想しても、需要と供給の関係があなたの予想と違う場合、株価もあなたの予想とは違った動きになります。

ある株式の買い手が増えれば、その株式に対する需要が増えて株価は上昇します。特に供給が限られている場合、株価は大幅に上昇します。
株式の需要と供給が拮抗する場合は、売りと買いの圧力がぶつかり合うことになります。このため株価は一定の値幅(レンジ)で上下にふれることになります。
何らかの株安要因によって株式の買い手が減少すれば、供給が需要を上回ります。この場合、株価は下落します。

株式の供給に影響する要因

株式の供給を変化させる主な要因は次の通りです。

企業による株式発行

企業は既存の株式に加えて、新株を発行することで新たな資金を調達することがあります。新株の発行は供給増になります。買いの需要が供給を上回る場合、新株を発行した後もその企業の株価は上昇します。逆に買いの需要が供給を下回る場合、その企業の株価は下落します。

自社株買い

自社株買いとは、企業が自社の株式を市場から買う行為のことです。自社株買いによって市場に流通する株式の総数は減少します。これは株式の供給が減るということです。供給減は株価の上昇要因です。また、EPS(1株当たり利益)が上昇する要因ともなります。

売り手

売り手の増加は株式の供給を増やします。売り手が増加する要因のひとつとして、利益の確定が挙げられます。保有している株式を売って利益を得たいと考えている売り手の数が、その株式を買いたいと考えている買い手の数よりも増える場合、供給の増加によりその企業の株価は下落します。

株式の需要に影響する要因

株式の需要を変化させる要因として、企業ニュース経済の動向が良く挙げられます。しかし、これら以外にも需要を変化させる要因があります。以下で株式の需要を変化させる要因をみてみましょう。

企業に関連するニュース

企業に関するニュースは、株式の需要に大きな影響を与えます。例えば、大幅な利益の計上や新製品の発売といったポジティブなニュースは、株式の需要を増加させる要因です。
反対に減収減益や負債の増加といったネガティブなニュースは、株式の需要を減少させる要因です。

経済の動向

経済の動向-具体的には長期金利やインフレ(物価)の動向は、株価に大きな影響を与えます。例えば、景気が回復する局面で金利やインフレが緩やかに上昇する場合、市場では将来の景気回復が意識されます。これは株式の需要を増加させる要因です。一方、金利とインフレが上昇し過ぎれば、市場では将来の景気減速が意識されます。これは株式の需要を減少させる要因です。

業界の動向

同じ業界に属する企業は、同じような業績となる傾向があります。よって、業界の動向が、その業界に属する企業の株価を決定することがよくあります。例えば、ある業界が景気回復の恩恵を受けていると、その業界に属する企業の株式需要が増えて、株価は上昇します。逆に業界全体が景気後退のあおりを受けると、その業界に属する企業の株式需要が減り、株価は下落します。

マーケットセンチメント

『マーケットセンチメント』とは、投資家の心理がどのような状態にあるのか?を示す用語です。マーケットセンチメントを理解することは、投資にとって非常に重要です。なぜなら株価は、上で述べた要因だけでなく、投資家の心理状態にも影響されるからです。マーケットセンチメントが強気の場合、株式の需要が増えることで株価は上昇します。逆にマーケットセンチメントが弱気の場合、株式の需要が減ることで株価は下落します。
マーケットセンチメントは、投資家の主観に左右されやすいという特徴があります。このため、下で述べるファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を用いて、マーケットを分析することをおすすめします。

株式の需要と供給に影響する要因と合わせて、株価の変動要因についてもおさえておきましょう。

需給関係で変化する株価の分析方法

ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析は、最もポピュラーな投資の分析手法です。

ファンダメンタルズ分析

経済指標や企業の財務情報をもとに相場の分析を行う手法をファンダメンタルズ分析といいます。ファンダメンタルズ分析は、株価収益率(P/E)、配当利回りまたは自己資本利益率(ROE)といった様々な指標を用いて分析します。

テクニカル分析

過去の価格とチャートを使って相場を分析することをテクニカル分析といいます。テクニカル分析は『過去の価格が将来の価格を予測する重要な情報となる』という考えがベースとなっています。例えば、過去に発生した価格パターンが再び発生したとき、投資家は売りや買いを仕掛けるタイミングと判断します。しかし、テクニカル分析は過去の価格データだけを使っているため、完璧に将来のトレンドを予測することはできません。このため、ファンダメンタルズ分析と組み合わせて、より正確に分析することをおすすめします。

ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の詳細については、IGアカデミーをご覧ください。


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

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