日経平均、半導体株で沈む 週次981円下落 春闘の成果は好条件か
日経平均は半導体株安で勢いがストップ。一方、春闘での賃上げは円高にはつながっておらず、株式市場にとっての好条件といえる。
日経平均株価を半導体株安が襲った。日経平均の15日の終値は3万8707.64円で、1週間前比では981.30円安。半導体製造装置の東京エレクトロンや、半導体検査装置のアドバンテストの値下がりが日経平均を大きく押し下げた。アメリカでの半導体株安の流れが波及した形だ。一方、春闘での賃上げは今のところ、日経平均への逆風となってきた円高を加速させておらず、日本株にとっての好条件といえる。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の動向次第で、今後の日経平均が大きく左右される可能性もある。
半導体株安で日経平均は約3か月ぶりの下落幅に
日経平均(N225)の週次での下げ幅は12月4-8日週(1123.65円安)以来14週ぶりの大きさ。2週連続の値下がりも14週ぶりだ。日経平均は2月22日に34年ぶりに史上最高値を更新し、その後も勢いに乗ってきたが、本格的なブレーキがかかったといえる。
アメリカの半導体株の値下がりが日本に波及
日本の半導体株への期待を弱めたのは、米国の半導体株が変調をきたしていることだ。半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の15日の終値は1週間前比で0.35%高どまり。アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)は7.87%安、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(AMAT)は3.36%安だった。これらの半導体株の不振に足を引っ張られる形で、S&P500種株価指数(SPX)の15日の終値は1週間前比0.13%安の5117.09となり、2週連続での値下がりとなっている。
ドル円相場では149円台まで円安が進行
一方、前週に日経平均の重荷となった円高には一服感が出ている。LSEGのデータによると、ドル円相場(USD/JPY)では、12日までは1ドル=146円台での取引があったが、15日のニューヨーク市場の終値では149.02円までドル高に振れた。
ドル高が進んだ要因のひとつは、米国で12日に発表された2月の消費者物価指数(CPI)が予想を超える強さとなり、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が後退したことだ。米国の金利の先高観につながり、ドルが買われやすくなった。CMEグループのデータによると、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)後に政策金利が現状よりも低くなっていることについて投資家の動向から算出される確率は、日本時間16日午前8時段階で約57%まで下がっている。
春闘の結果は日経平均の追い風か
また、連合が15日に発表した春闘の第1回の回答集計はFX市場ではサプライズと受け止められなかったようだ。ベースアップと定期昇給を合わせた賃上げ率は平均5.28%となり、2023年の第1回回答集計の実績(3.80%)を大きく上回った。日銀が18、19日の金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除に動く可能性が高まったが、ドル円相場は円安に動いた。日銀がマイナス金利を解除しても金利水準を上げ続けるわけではないとの見方を強調しているためだ。春闘による大幅な賃上げが円高を招かないのであれば、賃上げが今後の消費が活気かせ、日経平均の追い風になるとの見方が成り立つ。
ただ、米国の半導体株の不振は引き続き、今後の日本株にとっての不安材料になりそうだ。また、FRBが19、20日のFOMCに際して発するメッセージも株式市場やドル円相場に影響を及ぼすとみられ、日経平均の値動きを左右する可能性がある。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。